事例集制作のポイント

 

普段の営業活動で使う営業ツール。
製品概要資料、ヒアリングシート、提案資料、などなど。

そして事例集も活用すると思いますが、
実はかなり有効な営業ツールになるのです。

事例集は顧客が購買に至るまでの過程（カスタマーパス）の中でも
情報収集を「認識」段階の見込み客に対してよく使われるでしょう。
詳しくはコラム「営業コンテンツの種類　～対顧客編～」を参考にしてください。

今回は事例集の重要性は制作のポイントについてお伝えしていきます。

BtoB営業資料の中でも導入事例が役に立つ理由

・BtoB営業では試用が難しい商材も多いため導入事例で代替

そこで有効なBtoB営業資料が、導入事例です。
よい導入事例は、製品トライアルと同等か、それ以上の効果があります。

BtoCの消費財であれば気軽にトライアルできる商品も多いでしょう。
一方、BtoB企業は、組織が複雑なため、本番環境でのトライアルが難しいことが多いです。
デモ環境で機能確認程度はできますが、本番環境で実際に使ってみるのは、
既存のツールと合わせて使わなければならないことが多く本格運用が難しいでしょう。

ITサービスでは、「無料トライアル」がありますが
実際の本番環境でトライアルできることはまれです。

そのためIT業界でも、導入事例は有効です。

・BtoB営業では導入事例がエビデンスとなり稟議資料に
サービスの導入検討時に、社内承認過程で必ずチェックされるのが導入実績・導入事例です。
BtoB営業では、特に顧客と業界が同じで競合となるトップ企業・有名企業の導入実績があると、
強力なエビデンスとなり、社内承認が通りやすくなります。

ではどのような手順で制作を進めていけばよいでしょう。
まずは制作前の準備です。

事例集制作の前の準備で使えるフレームワーク

効果的導入事例を作るのに使える基本フレームワークが、FABE分析です。

Feature (特徴):提案の特徴、概要説明
Advantage (優位性):優位性
Benefit (利益):顧客の得られるメリット
Evidence(証拠):提案を裏付けるデータ、実績等

この中でも最後の一押し、顧客の納得・共感を得るのに必要なのが、Evidence（証拠）です。

例えば第三者機関の実験結果の提示、業界権威者の発言などがあります。
例）サービス導入前に60%の選定が終わっている

課題感や業界が同じ場合、顧客が自社のイメージを重ねることが可能になり、
利用イメージがわいてくるでしょう。

よい導入事例は、ストーリ－性を持ち、顧客に具体的利用イメージを描かせます。

導入事例を実際に書いてみる

では実際に制作する流れです。

①コンセプト立案
まずは、BtoB営業資料を作りたい対象商品のコンセプトをFABE分析で考えます。

Feature（特長）を考える
例：営業の属人性の解消

Advantage(優位性)とBenefit(利益)を考える
例：営業の標準化により組織としての営業力を強化する

Advantage(優位性)とBenefit(利益)を支えるEvicence（証拠）を考える
例：○○社の場合、組織全体の受注率が○○％アップ

上記のようにFABE分析を用いることで
すでにコンセプトが固まっている場合でも、
フレームワークでもれなくチェックするすることができます。

②顧客取材
1.導入事例を作成する取材対象を選ぶ
FABE分析で、自分たちが示したいAdvantageとBenefitに適した
Evidenceを示しやすい企業に取材を依頼します。
また、ターゲットとなる業界に親和性がある、著名でベンチマークとなりやすい企業が良いでしょう。

2.導入事例の取材依頼をする
取材依頼をします。事例取材は、担当者や企業の事情により、
断られる場合もありますので、いったん候補企業を複数ピックアップしてみましょう。

3.導入事例取材の準備をする（FABE分析を質問票に落とし込む）
あらかじめ、FABE分析で示したいAdvantage (優位性)とBenefit (顧客便益)を意識したうえで、
その事例で表現したいAdvantage (優位性)とBenefit (顧客便益)を決めます。
整理した内容をもとに、事例取材時の質問票をつくります。

4.導入事例取材をする
FABE分析をもとに、その事例で表現したいAdvantage (優位性)と
Benefit (顧客便益)にあったEvidence（証拠）を引き出します。

まとめ

事例集は営業においてかなり効果的な営業ツールです。
特にクロージング時の懸念払拭に使えるでしょう。

・準備で使えるフレームワーク
FABE分析

・事例制作の流れ
①コンセプト立案
②顧客取材
1.導入事例を作成する取材対象を選ぶ
2.導入事例の取材依頼をする
3.導入事例取材準備をする：FABE分析を質問票に落とし込む
4.導入事例取材をする

是非今回お伝えしたポイントを意識して事例集制作の活かしてください。