インサイドセールスのトークスクリプトの作り方|アポ取得率を劇的に変える方法

営業スクリプト

インサイドセールスやテレアポ部隊を中心としたアウトバウンドセールス。
これらのポジションでは営業スクリプト(トークスクリプト)を使って日々アポ取りや
見込客との関係構築(リードナーチャリング)を進めていくでしょう。

営業のトークスクリプトは顧客が購買に至るまでの過程(カスタマーパス)の中でも
情報収集等の「認識」段階の見込み客に対してよく使われるでしょう。
詳しくはコラム「営業コンテンツの種類 ~対社内編~」を参考にしてください。

ではどのようにインサイドセールスのトークスクリプトを作っていけばよいのでしょうか?
また、どのように改善していくべきなのかお伝えしていきます。

初回商談や提案時のトークスクリプトの構成についてはこちらの記事を参考にしてください

参考記事
営業の原理原則を考える|SPIN営業をご存知でしょうか?
SPIN話法を活用したヒアリングシートの作り方

営業トークスクリプトの必要性

多くの営業組織ではトークスクリプトを用いた営業活動を行うケースが多いですが、
トークスクリプトがないと何がまずいでしょうか?

以下のことが考えられます。
①担当によってアポ率に大きなバラつきがでる
②アポの質に大きなバラつきがでる
③営業トークノウハウが蓄積されない
④受注率にバラつきが生じる

営業スキルの属人化が進行するだけでなく、アポイントが取れない営業は
営業機会を作ることができず、組織全体の営業力が低下する恐れがあります。
また、若手を育てるノウハウが貯まらないなど、様々な弊害が生じる恐れがあるのです。

これらの課題をクリアするためにトークスクリプトを準備する必要があります。

具体的には以下の手順にてスクリプトを作成して運用していくのがよいでしょう。
①スクリプト毎に目的・ターゲットを設定
②ヒアリング項目の整理する
③ターゲット毎の想定質問集を作成する
④トークスクリプトを作成する
⑤トークスクリプトのABテストを続ける

それぞれ見ていきましょう。

スクリプト毎に目的・ターゲットを設定

ポを取るのか、ナーチャリングするのか、懸念払拭をするのか、
それぞれの目的によって話す内容を変わってくるでしょう。
まずはスクリプトを用いる目的を整理します。

目的の整理のために自社の営業プロセスを考えてみましょう。
例えば、
・ヒアリング
・アポ取り
・情報提供/ナーチャリング
・提案
・懸念払拭
・クロージング
などなど。

それぞれの目的に合ったスクリプトを考えていきましょう。

また、見込客のweb上での行動(料金ページ閲覧、複数資料ダウンロード)に
よってスクリプトは使い分けるのが効果的です。

マーケティングオートメーションツールを利用している場合は、
スコアや行動によってターゲティングしてアプローチ方法を変えていきましょう。

(ターゲット例)
スコア高/料金ページ閲覧:即アポ取り
サービス資料ダウンロード:ヒアリング
小冊子ダウンロード:ナーチャリング
提案中で事例集ダウンロード:懸念払拭
スコア低い:情報提供、セミナーの案内

スクリプトのフローを整理する

最初から見込み客につながれば良いですが受付につながることがあったり、
担当者が不在の場合も多いでしょう。

様々なシチュエーションを想定しておかなければ、インサイドセールス担当者に
よっては焦ってしまい、スムーズな会話ができなくなることも。

事前にフローを整理してまとめておくことで自信を持って臨めるでしょう。

(アポ取得を目的とする場合)
電話(受付 or 担当者 or 不在)
→取次依頼(受付突破 or 伝言)
→興味喚起(興味あり or なし)
→ヒアリング(興味ありの場合に項目に沿って行う)
→クロージング(日程調整 or 定期的な情報提供の承諾を得る)

言語化することで抜け漏れが減り、アポ獲得率のアップにもつながります。

ヒアリング項目の整理する・ターゲット毎の想定質問集を作成する

商談につなげて最終的に受注するためには接点を持ち始めた段階からヒアリングが大切です。

よくあるヒアリング項目としてはBANTやMEDDICがあります。

■BANT
・Budget:予算(予算はどのくらいか?)

・Authority:決裁権(会う人は決定権を持っているのか?)

・Needs:必要性(企業が導入の必要性を感じているのか?)

・Timeframe:導入時期(導入・購入する時期は?)

■GPCT(HubSpot社のフレームワーク)
・Goals(目標)

・Plans(計画)

・Challenges(課題)

・Timeline(スケジュール)

 

■MEDDIC
・Metrics(測定指標)

・Economic Buyer(決裁権者)

・Decision Criteria(意思決定基準)

・Decision Process(意思決定プロセス)

・Identify Pain(抱えている課題)

・Champion(自社サービスの擁護者)

※比較的金額が大きい案件やエンタープライズのような
購買プロセスが複雑な企業へのアプローチに向いています。

参考記事
BANTだけじゃない?|最新の営業フレーワームとは

ヒアリングや提案をする際に様々な質問が出てくるでしょう?
「特長は?」
「他社との違いは?」
「○○の機能はある?」
「料金は?」
「同じ業界での導入事例はあるのか?」
「導入までにかかる時間は?」
「導入の効果は?」

上記のような質問にスムーズに答えられることで
信頼関係の構築にもつながるでしょう。

トークスクリプトを作成する・ABテストを続ける

ターゲットが決まり、話す内容が決まったら
トークスクリプトを作成していきます。

スクリプトの作成後はスムーズに話せるようにトレーニングをしていきます。

そんな時にはロープレがおすすめです。
実際の顧客を想定した様々なシチュエーションを
ロールプレイングすることで、アポ取得やナーチャリングを
高い水準に保つことができるでしょう。

しかし、一度制作したスクリプトも徐々に陳腐化していきます。
市場の変化や競合により訴求すべきポイントやカウンタートークも変わってきます。

アポ取得率や最終的な受注率に変化があった時は要注意です。
期間を絞ってA/Bテストを行い、日々改善を続けていきましょう。

営業プロセスの中で分業している場合は、
日頃からマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスの間で
情報交換など連携をしていくことが必要です。

ヒアリング項目の内容やヒアリングの粒度について
すり合わせをしていくと良いでしょう。

まとめ

テレアポからクロージングまで様々な状況で必要な営業スクリプト。
今回はインサイドセールスでも活用できるスクリプトの制作から運用のポイントをお伝えしてきました。

①スクリプト毎に目的・ターゲットを設定
②ヒアリング項目の整理する
③ターゲット毎の想定質問集を作成する
④トークスクリプトを作成する
⑤トークスクリプトのABテストを続ける

社内で営業スクリプトを活用している場合は一度振り返ってみましょう。