セールスイネーブルメントにて組織の営業力強化を
実践していくためにまずは何を実施すべきでしょうか?
まずは「己を知る」です。
孫子の言葉にあるように
「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず」です。
今回は自社の営業パフォーマンスを測るうえで
役に立ちそうな2つの指標について解説していきます。
顧客との関係性レベル
ミラーハイマングループによると
営業を成功に導くためには以下のようなレベルがあるとのことです。
(参考図書 「Sales Enablement」著:Byron Matthews より)
顧客関係性レベル(顧客に対する自社の立ち位置)
レベル1 認定ベンダー
あるカテゴリーの製品を提供するベンダーとしては認識されています。
しかし他のベンダーに対して圧倒的な競争力を持っているとは
認識されていません。
営業は顧客からのヒアリングはあまりせずに製品を紹介します。
セールススキルに依存しないため、製品の情報がインターネットで入手できるようにつれ、
AIが普及するにつれて置き換えられる可能性が高いです。
レベル2 優先サプライヤー
顧客が製品やサービスをどう使うかに関する知識を活用し、価値を付加する。
標準的な特徴や利点が備わっているだけでなく、実績も協調します。
しかし、あくまで顧客とのやりとりは商品中心になるので、
未知の競争相手や市場の力に対して脆弱性を持ちます。
レベル3 ソリューションコンサルタント
自社のサービス中心ではなく、顧客のビジネスへの深い理解や
顧客の直面する課題や到達すべき目標に関するヒアリングをします。
顧客と結びつきを深め、そのうえでニーズに合うソリューションを提案していくことができます。
サービスが顧客の課題にどのような効果を持つのかについて顧客に想像させるノウハウを持ちます。
レベル4 戦略的な貢献者
ソリューションコンサルタントより顧客に対して深い知識を持ちます。
顧客の業界、競争相手、さらには顧客の取引先について理解し、
これらを活かして新たな「気づき」として顧客に付加価値を与えることができます。
このポジションとして認識されれば顧客側から声がかかり、
課題の深堀や解決先をサポートすることで競争相手にない
明らかなアドバンテージを示すことができるようになります。
レベル5 信頼できるパートナー
顧客の長期的な成功のカギを握ると認識されます。
顧客理解の幅は非常に深く、提供する価値の目先の営業に必ずしも限定される
わけでなく、顧客からは自らの組織の一部と見なされ絶大なる信頼を寄せます。
レベル1,2はプロダクト営業
レベル3はソリューション営業、
レベル4,5はインサイト営業
といえるでしょう。
(コラム「ソリューション営業からインサイト営業へ|営業スタイルの整理と今後の営業
」)
営業プロセスレベル
顧客関係性レベルと同じくらい重要なのが営業プロセスレベルです。
自社の営業プロセスがどれくらい標準化されているのかを
確認する指標として参考にしてください。
レベル1 ランダム
見込み客へのアプローチ方法について標準的なプロセスはありません。
目標の達成度のみを確認し、未達成の場合はプロセスではなく、
人を変える傾向にあります。
業績は成績優秀者に依存し、属人化が進み、失敗するリスクは高くなります。
レベル2 インフォーマル
組織として営業プロセスは文書化されているがメンバー全員が
そのプロセスに従っているわけではありません。
特にトップ営業は自分のやり方は許容されることが多いようです。
成績の低い営業はプロセスを遵守するように奨励されますが、
必ずしもパフォーマンスの向上につながるわけではありません。
プロダクト営業に多いようです。
レベル3 フォーマル
営業プロセスが組織に規定され、プロセスに従うように徹底されています。
また、定期的にプロセスを見直すためにSFA/CRMが活用されています。
プロセスが徹底されいる分、柔軟性を欠く面もあります
例:現行のプロセスがうまくいかない場合にプロセスが形骸化する
レベル4 ダイナミック
このレベルでは組織内部にフォーマルなプロセスもありますがセールスが適応性もあります。
組織内に業績の重要指標を取り込み、継続的に分析することで、
プロセスの見直しを定期的に行っております。
他社より早く市場の変化をプロセスに適応させることができます。
AIをプロセスに活用している企業も多いようです。
まとめ
自社の営業の成熟度を測る上で参考になり指標を紹介してきました。
・顧客関係性レベル(顧客に対する自社の立ち位置)
レベル1 認定ベンダー
レベル2 優先サプライヤー
レベル3 ソリューションコンサルタント
レベル4 戦略的な貢献者
レベル5 信頼できるパートナー
・営業プロセスレベル
レベル1 ランダム
レベル2 インフォーマル
レベル3 フォーマル
レベル4 ダイナミック
セールスイネーブルメントに取り組む前に確認してみるのもよいでしょう。