営業トレーニング入門|営業の方法論とは

営業組織の強化に必要なセールスイネーブルメント。

カスタマーパスの整理、営業ツール制作、営業コーチングなど様々な取り組みが必要に
なってきますが、営業パーソンの受注率の向上には営業トレーニングも必要です。

以前営業トレーニングでカバーすべき3つの領域について紹介してきました。

1.製品・サービス知識
2.営業の方法論
3.スキルトレーニング
(詳細はコラム「営業トレーニングの必要性」を参考に)

今回は営業トレーニングにフォーカスし、営業の方法論について紹介していきます。

営業の方法論とは

営業では会社によって様々な商材を扱うでしょう。
自動車や食品などの有形商材からITサービスの無形商材などなど。

まずは自社製品・サービスの仕様理解が必要です。
どのように導入するのか、日々の活用方法、別サービスからの移行方法など
多くのことを知識としてインプットしなければなりません。

もちろん知識だけでなく営業にどう活かすのか、が次に重要です。

そこで必要なのが営業の方法論のインプットになります。

見込み客の検討段階(カスタマーパス)や企業の営業スタイルによって
臨機応変にアプローチを変えていかなくてはなりません。

いくつかの営業スタイルを例にして営業の方法論を紹介していきます。
既存顧客へ主に提案するルートセールス、新規営業のソリューション営業や
サブスクリプションサービスの営業を扱います。

営業の方法論の例/ルートセールスの場合

まずはルートセールスの営業です。

新規営業と違ってルートセールスは既存顧客を定期的に訪問して
現状把握して、ニーズが発生したタイミングを逃さずに定期購入や
新商品の提案によるアップセルを狙います。

「なんとなく訪問する」というのでなく戦略的に訪問して成果を最大化する必要があります。
例えば以下のようなポイントがあります。
・顧客をランク分けする
:購入頻度、購入金額によって優先度を決めます。

・ランクによって訪問頻度を調整する
:ランクが高い顧客には訪問頻度を高めてニーズに素早く対応します。

・訪問履歴を残す
:ルート営業では営業活動が属人化しがちになるので情報をしっかり残し、
スキルの標準化や提案の高度化を目指します。これは引継ぎ時のトラブル防止にもつながります。

定期的に訪問するので信頼関係の構築や、ニーズをくみ取る
ヒアリングスキルが必要になってきます。

営業の方法論の例/ソリューション(無形商材)営業の場合

IT製品やコンサルティングサービスを提供するソリューション営業。

一般的にソリューション営業とは、顧客との対話を通して、抱えている問題やニーズをつかみ取り、
その問題の解決策(自社ソリューション)を提供する営業スタイルと言われております。

顧客の深い理解と課題への対応能力が求めれらるため、
以下のスキルが必要になってきます。

・仮説構築力
営業担当は顧客の状況を把握し、仮説を立ててニーズを知る能力が必要です。
顧客の立場から考えてどんな商品・サービスが必要か、をイメージするスキルが求められます。

・対人対応力
信頼関係を築いて顧客からニーズを引き出すことが必要です。
当然ながら営業活動で対話する顧客のタイプは多様です。
様々なタイプに対して営業プロセスや話し方を変え、良好な関係を構築する柔軟性が求められるでしょう。

・ヒアリング力
事前に構築した仮説を顧客へぶつけながらニーズやあるべき姿を聞き出す能力が必要です。
信頼関係ができる前はクローズドクエスチョン(はい、いいえで答えられる質問)を使うなど
基本的な営業テクニックも必要です。

営業の方法論の例/サブスクリプションビジネス営業の場合

最後にサブスクリプションビジネスの営業の方法論についてふれます。

サブスクリプションビジネスとは月額課金のサービスなので
受注の重要ですがその後のサポート(カスタマーサクセス)も重要になってきます。

分業化が進んでいるケースが多く、
リード(見込み客)の獲得:マーケティング
⇒商談の獲得:インサイドセールス
⇒提案・クロージング:フィールドセールス
⇒アップセル・クロセスセル:カスタマーサクセス

スキルとしてはソリューション営業と同じようなスキルが求められますが、
それに加えてこのようなモデルにおいて営業は以下のポイントをおさえておく必要があります。
・チーム間連携
:分業なのでそれぞれのチームがKPIを追うだけでは売上につながらないケースがあります。
リードの質についてマーケティングにフィードバックしたり、
インサイドセールスへヒアリング内容や商談のフィードバックが必要です。

・LTVの最大化
:受注後に売上が毎月積み上がるビジネスモデルなので顧客との期待値調整による
解約の防止や更によいサービスにするためにプロダクトへのフィードバックが必要です。

・データ活用
:チーム間の連携とも重複しますが、マーケティングやインサイドセールが
追う指標(リード数、アポ取得数)と営業の受注数や案件数を確認し、
どこにボトルネックがあるのか把握して改善していく力が必要です。

まとめ

営業トレーニングの一つである営業の方法論を紹介してきました。

■ルートセールスの営業のポイント
日々の営業のポイント
・顧客をランク分けする
・ランクによって訪問頻度を調整する
・訪問履歴を残す

■ソリューション営業のポイント
求められるスキル
・仮説構築力
・対人対応力
・ヒアリング力

■ソリューション営業のポイント
効率的に進めるポイント
・チーム間連携
・LTVの最大化
・データ活用

以上のように業界や売る製品、営業スタイルによって知っておくべき営業の方法論も変わってきます。
しかしどのような営業であっても商談の流れは、

アプローチ→ヒアリング→プレゼン→クロージング

が基本原則となります。

自社の営業スタイルや商流を一度整理してみましょう!
営業のトレーニングの要素としてスキルトレーニングについては次回紹介していきます。