セールスイネーブルメントという言葉をご存知でしょうか?
欧米を中心に組織に浸透し、日本でも外資系企業を中心に導入が進んでいます。
(参考コラム:セールスイネーブルメントとは?|営業マネージャー必見!)
従来営業の教育は入社時の人事部門の研修や配属後のOJTが基本でした。
しかし上記のような流れだと、どうしても人事部と現場営業の
ギャップが生まれて不要な研修が増え、即戦力化に時間を要してしまうこともあります。
またOJTをメインにしても営業マネージャーの質やチームメンバーの
教育体制によってギャップが生まれ、定着せずに離職してしまう社員もいるでしょう。
このような問題を避けるためにセールスイネーブルメントという
体制が必要になってきています。
(参考コラム:セールスイネーブルメントを担う部門とは?)
今回はセールスイネーブルメントを促進する上で
役に立つSFA/CRMの活用方法について紹介していきます。
SFA/CRMの活用方法
一般的にSFA/CRMを活用すると、顧客情報の共有や営業活動の可視化や
蓄積された情報分析が可能になります。
更にマーケティングからCS(カスタマーサクセス)までの履歴を
計数で把握することもできるようになります。
エクセルに限界を感じた方には特におすすめです
(「セールスイネーブルメントと推進するツールとは」を参考に)
ではどのように活用すれば営業力の向上につながっていくのでしょうか?
営業コーチングの整理
営業メンバーの営業力を向上させるにはコーチングが必要になります。
そもそもどんな種類のコーチングがあるでしょうか?
①リード/案件コーチング
サービス検討の初期段階であれば、アプローチしようとしているリードが
質の高い案件になり得るのかどうかを見極めるのに役立つアドバイスをします。
リードの見極め後は、提案活動にて顧客がどのような課題を感じ、
検討を前に進めるためにはどんなことができるのか、を営業メンバーと話し合います。
②ファネル/パイプラインコーチング
・営業パイプライン(初回商談~受注まで)において何件の案件があるのか
・今後の売上はいくら積みあがっていくのか
それぞれを確認し、営業自身が目標達成のためにどのようなアクションを
すべきなのか答えを見つけられるようなサポートが必要です。
③スキル/行動コーチング
商談の中でどのような聞き方をすれば課題をヒアリングできるのか。
隠れた課題を抽出できるようなインサイト営業に近づくための
スキルを身につけられるなコーチングを行います。
④アカウントコーチング
アカウント(特定のターゲット企業)に対して戦略的にどのように
アプローチをしていくべきなのかをコーチングします。
単なる案件コーチングではなく、取引先影響者やアカウントが持つ
ビジネス戦略に注意を払います
⑤テリトリーコーチング
担当のエリアの中で適切な見込み客(業界、企業)を選んでいるのか。
アプローチしている決裁者は適切なのか。
テリトリー内でのターゲットについてコーチングを行います。
それぞれの注意点についてはコラム「営業コーチングの必要性」を参考に。
SFA/CRMを用いた営業コーチング
SFA/CRMを用いてどのようにコーチングを行っていけばよいでしょうか?
①リード/案件コーチング
システムに入ってきたリードの属性情報からアプローチするべきかをまず考えます。
SFA内では顧客情報の中に以下のような属性情報を設定することができます。
例:検討状況(情報収集段階、3ヵ月以内に導入、半年以降など)、業界、課題感
更に過去の案件から同じような課題感、業界への提案内容をデータで確認して
提案までのアクションプランのアドバイスできます。
SFAには過去の営業情報も蓄積されているので
提案書や受注率を参考にすることで優先順位をつけることができます。
②ファネル/パイプラインコーチング
SFAの分析レポートを用いることで現在までの積み上げ金額の確認はもちろん
営業フェーズの移行率も確認することができます。
例:
リードフェーズ 100万円
↓ 移行率:30%
商談 200万円
↓ 移行率:40%
クロージング 300万円
↓ 移行率:70%
受注 150万円
ここまで営業メンバーの状況が見える化されるので
躓きのあるボトルネックを把握し、ピンポイントなアドバイスができます。
③スキル/行動コーチング
SFAでは営業活動の商談メモにテンプレートを作成することができます。
必要なヒアリング項目を事前にチェックボックスやテキストボックスで設定できるので
知らず知らずのうちに営業の標準化を進めることができます。
トップ営業の行動を見える化していく上で非常に重要な機能です。
コーチングの際には蓄積された商談履歴から次の打ち手をアドバイスします。
④アカウントコーチング
SFAでは自分の担当案件だけでなく、同一企業の過去案件や
取引先の名刺情報も記録しておくことが可能です。
更にツールによっては取引先のプレスリリース情報や有価証券情報まで
自動で情報をとってくることができます。
これの機能を利用することでアップセルやクロスセルのチャンスを狙うことができます。
⑤テリトリーコーチング
過去の業界やエリアでの受注率を参考にすることで
エリア内でのターゲットの選定を最適化することができます。
更に名刺管理ツールと連携することで同じエリア内での
提案活動を優位に進めることができます。(代表同士のつながり、紹介など)
まとめ
SFA/CRMを使ったセールスイネーブルメントの方法を
営業コーチングの観点から紹介してきました。
①リード/案件コーチング
②ファネル/パイプラインコーチング
③スキル/行動コーチング
④アカウントコーチング
⑤テリトリーコーチング
それぞれの営業コーチングを効果的に進めたい場合は
SFA/CRMを活用することをおすすめします!
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