営業の進化 sales3.0へ②

営業の進化 sales3.0へ②

セールステック(sales tech)と呼ばれる、
営業へのテクノロジーの導入が進む今。

営業スタイルの変化も迫られています。

前回はこれまでの営業スタイルということで
プロダクト営業(sales 1.0)、ソリューション営業(sales 2.0)を紹介してきました。
(コラム「営業の進化 sales3.0へ①」)

今回は営業組織の進化ということで今後求めらる新たな営業スタイルを
お伝えしていきます。

顧客の潜在的ニーズを見つけ出す営業

ある統計(CSO Insights 2018)によると、

「購買者はセールスにどの段階でコンタクトをとるのか?」という問いに対して、

約70%の購買者自身が課題・ニーズの特定をした後に
セールスに連絡をすると回答しています。

多くの購買者は課題やニーズがはっきりとしていない段階では
セールスに連絡をしないということです。

さらに全体の約44%はどの解決策を検討するかセールスにコンタクトする前に決めており、
約20%は詳細を詰める段階になってからセールスにコンタクトをとっています。
(コラム「これからの営業が知るべき3つの統計データ」)

「課題・ニーズの特定をした後」とのことですが、
場合によっては潜在的な課題が隠れていることもあるのではないでしょうか?

例えば、
「営業活動を効率化したい」というニーズに対して
ITベンダーに問い合わせをしたとします。

しかし、実際にヒアリングをしてみるとリード数や商談数は十分であり、
実は受注率がかなり低いということがわかりました。

このようにに顧客の潜在的なニーズを吸い上げて、
それにあった提案ができる営業がいたらどうでしょうか?

聞かれたことに対してのみ説明する営業でもなく、
顕在化されてニーズに対してツールの提案をする営業でもなく、
上記のように潜在的なニーズを引き出して提案する営業が求められてきます。
(sales 3.0と呼ぶことにします。)

これまでの営業スタイルの整理

それぞれの営業スタイルと顧客の課題の状況についてまとめます。

1.プロダクト営業
顧客の状態:課題、解決方法が明確

2.ソリューション営業
顧客の状態:漠然とした課題があり、解決方法が不明

1の場合はその名の通り、日用品や備品などカタチある製品営業です。
例えば印刷機の場合、課題や解決方法は明確ですよね?

この場合、製品知識や他社優位性の訴求が必要になります。

2の場合はIT企業など課題解決型の営業です。

では、「課題が明確でない」場合の営業は?

インサイト営業 sales 3.0

ソリューション営業が浸透している中で、
いわゆる「パートナー」として顧客と深い関係性を築くためには
そのような営業が求められるでしょうか?

それは、潜在的なニーズを引き出して提案する営業です。

これがインサイト営業またはパースペクティブ営業と呼ばれます。

ソリューション営業を進めていく中で、
顧客は他社ツールと既に比較を進めているので、
課題に対して解決すべき機能を細かく聞いてくることも多いでしょう。

そして自社のサービスが顧客の求めるソリューションに
そぐわない場合は厳しい状況におかれてしまいます。

このような時に、想定していた課題に対して潜在的な課題を紐解き、
新たなソリューションを提案できたらどうでしょうか?

買い手は自社の課題に加えソリューションについて新たな見方(パースペクティブ)を
得ることができます。

更に、第三者的な情報源も加えることで説得力は更に増しますよね。

このような営業スタイルが根付いた営業組織はかなり強力でしょう。
しかしなかなか組織化することは困難です。

そこで重要になってくるのがセールスイネーブルメント。
(コラム「セールスイネーブルメントと営業の標準化」)
会社全体として営業組織の強化に取り組むことが重要になってきています。

まとめ

営業組織の進化ということでこれまでの営業スタイルや
今後求められる営業スタイルについて紹介しました。

1.プロダクト営業 sales 1.0
顧客の状態:課題、解決方法が明確

2.ソリューション営業 sales 2.0
顧客の状態:漠然とした課題があり、解決方法が不明

これからの営業スタイル
3.インサイト(パースペクティブ)営業 sales 3.0
顧客の状態:課題も解決方法も顕在化していない
・潜在的な課題を紐解き、新たなソリューションを提案
・買い手は自社の課題や解決先に対して新たな見方(パースペクティブ)を得ることが可能

自社の営業組織の進化に着手するタイミングはもうきています。
新たな営業組織にチャレンジしてもよいのではないでしょうか?