セールスイネーブルメントを担う部門とは?

セールスイネーブルメントを担う部門とは?

セールスイネーブルメントに取り組む企業も徐々に増えています。
しかしまだまだ会社での促進の方法や体制について悩む企業も多いでしょう。

※セールスイネーブルメントとは
「営業活動の改善に必要な要素」を統合して考えようという概念。
研修やシステム化、コーチングといった個別の施策について
バラバラに取り組むのではなく、それらをトータルで見ることで
効率化・最適化を図ろうというもの。

コラム「セールスイネーブルメントとは?|営業マネージャー必見!」

会社での「教育」というと人事部門をイメージされる方も多いでしょう。
一方で「営業」や「売上向上」については営業部門でのOJTを想定します。

セールスイネーブルメントは一つの部門で完結するというよりは
複数部門での連携が必要です。

従来の人事や営業部門の役割とセールスイネーブルメントを導入した後の
役割にはどのような違いはあるのか、今回はそこを整理していきます。

セールスイネーブルメント以前の役割

営業にフォーカスしてそれぞれの役割を整理していきます。

人事部門:
採用計画の立案、営業パーソンの採用、フォローアップ

営業企画/営業支援部門:
営業トレーニング(部門の役割、SFAの使い方、営業ロープレなど)、営業ツール制作、セールステックツールの導入、

セールス部門:
OJTによる新人営業の教育、案件管理、営業活動、売上の拡大(受注)

(まとめ)
互いの部署へのフィードバックは年に数回行う。内容の変更も年に数回のみ。

それではセールスイネーブルメント導入後の役割はどのように変化するでしょうか?

セールスイネーブルメント整備以降の役割

まず目的を整備し、全部門へ共通メッセージを浸透させます。

(例)
新人営業は配属後3ヵ月で受注率○○%、売上○○円の達成

・人事部門:
採用計画の立案、営業パーソンの採用、定期フォローアップ、採用した営業パーソンの経過を計測/分析

(営業パーソンの経過を計測)
SFAを用いて営業パーソンの受注率など状況や傾向を確認、営業マネージャーへのヒアリング

(計測結果)
○○業界出身の成長スピードは早い
(計測後)
○○業界出身に対して積極的に採用活動を実施

・営業企画/営業支援部門:
営業トレーニング(部門の役割、SFAの使い方、営業ロープレなど)、営業ツール制作、セールステックツールの導入
(営業ロープレ)
ポジションに応じた研修の実施、SFAから顧客情報を抽出し、よくいる顧客を想定した営業ロープレの実施

(営業ツール制作・改修)
売れる営業の流れを型化した営業コンテンツの制作
※例えばアプローチブックの制作をセールス部門と連携して進めるのもよいでしょう
現場の営業が利用しているコンテンツ情報のリアルタイムでの収集

(セールステックの導入)
営業情報を蓄積・分析して営業活動に示唆を与えるようなツールの導入

・セールス部門:OJTによる新人営業教育、案件管理、商談活動、売上の拡大(受注)、他部門への共有
(案件管理)
SFA/CRMを用いて営業ターゲットの選定、案件進捗に関してマネージャーはフィードバックを行う
パイプライン分析をして見込金額の達成度合いを検証し、早いスパンでPDCAを回す

(商談活動)
営業企画が制作した営業ツールを用いて商談を行う
使ったコンテンツや商談情報はSFAに履歴として残す

(他部門への共有)
商談のクロージング時に必要なコンテンツなど、営業企画部門へ共有
活躍している営業像や成長速度について人事部門へフィードバック
状況を経営陣に報告し、次回取り組むべきセールスイネーブルメントをブラッシュアップする

(まとめ)
組織全体で営業に関する指標を設定し、各部門間で数値化・連携を早いサイクルで行う。柔軟性がある。

セールスイネーブルメント導入前後の違いは?

具体例を使って導入前後の違いをお伝えしてきました。
改めて以下に整理します。

・セールスイネーブルメント整備前
⇒互いの部署へのフィードバックは年に数回行う。内容の変更も年に数回のみ。
ということで会社全体での取り組みではありますが、部門間での結びつきが弱く、
改善までのサイクルも早くはないでしょう。

セールスイネーブルメント整備後
⇒組織全体で営業に関する指標を設定し、各部門間で数値化・連携を早いサイクルで行っていく
部門間での連携が強く、更にセールステックツールを積極的に活用することで
リアルタイムに近い改善ができるようになり、組織としての営業力強化が促進されやすいでしょう。

まとめ

今回は他部署間とのセールスイネーブルメントの
コラボレーションを進める上での役割について整理してきました。

セールスイネーブルメント整備後
⇒組織全体で営業に関する指標を設定し、各部門間で数値化・連携を早いサイクルで行っていく

・人事部門:
採用計画の立案、営業パーソンの採用、定期フォローアップ、採用した営業パーソンの経過を計測/分析

・営業企画/営業支援部門:
営業トレーニング(部門の役割、SFAの使い方、営業ロープレなど)、営業ツール制作、セールステックツールの導入

・セールス部門:
OJTによる新人営業教育、案件管理、商談活動、売上の拡大(受注)、他部門への共有

今まで分断されがちであった各組織での取り組みを統合し、
連携をスムーズにすることで組織全体の営業力強化は更に加速していくでしょう。

ぜひセールスイネーブルメントをはじめてみて下さい!