セールスイネーブルメントを促進させるための社内体制とは?

セールスイネーブルメントを促進させるための社内体制とは?

セールスイネーブルメントに取り組む企業も徐々に増えています。
その中で様々な部署やチームと共同してセールスイネーブルメントを
進めることになるでしょう。

営業コンテンツの作成を例にしても
カスタマーパスの整理はマーケティングが主導で進めるべきですし、
コンテンツの内容はセールスが考えた方が効果的かもしれません。
では制作はどこが担当するのでしょうか?

このように役割の所在が不明確になるケースがあります。
そんな時に使える役割分担のフレームワークを紹介していきます。
(「Sales Enablement」著:Byron Matthews を参考にしております)

セールスイネーブルメントの部門間コラボレーション

セールスイネーブルメントは組織全体での営業力強化の取り組みであり、
各部門で協力して進めていくべきだという思想は浸透はしているでしょう。

部門間でのコラボレーション(協力)の内容を聞いてみると

・仕事に必要な作業を一緒に行うこと
・他の部門と最新の情報共有をすること
・コラボレーション=ITツールの導入(CRM/SFA)

など回答がバラバラなことあります。

新しいサービスの立ち上げや新しいコンテンツの制作の度に
協力体制の議論から始めていては時間がもったいないですよね。

このような時のためにフォーマルなコラボレーションモデルを設定しておくとよいでしょう。

CSOインサイトの調査によると部門間をまたいでコラボレーションできる
フォーマルなアプローチを整備し、セールスイネーブルメントの取り組みをしている企業は
全体の20%未満であり、フォーマルなコラボレーションが設定されている
組織はそうでない組織に比べて売上目標達成率が7%高いことが示されています。

それではコラボレーションを実現するために効果的なフレームワークを紹介していきます。

フィードバックとデータの収集

どんな内容のコーチングが必要なのかセールスに質問してみることも必要です。
例えば、
「あなたのポテンシャルを最大限に引き出すために、マネージャーはどんなことをしてくれますか?」
「どうすればマネージャーはもっと上手くコーチングできると思いますか?」
などがよいでしょう。

あるいは、どのセールスマネージャーが目標達成しているかを調べて
どこで差が生じているのか、営業プロセスを分解して営業コーチングの方法を
分析する必要があります。

例えば、見込み客に対しての商談の見極めはできているのか、
案件進捗に対してクロージングの精度を高める適切な提案はできているのか、
など営業コーチングの内容と精度を確認することが必要です。

RACIモデル①

プロジェクトマネージャーが利用するアプローチ方法としてRACIモデルがあります。

RACIは
実行責任者(Resposible)、説明責任者(Accountable)、
競業先(Consuluted)、報告先(Informed)、
の四つの役割の頭文字をとっています。

それぞれの役割について説明していきます。
(「Sales Enablement」著:Byron Matthew」を参考にしております)
1.実行責任者(Responsible)
主に実務に関わる人々。特定の作業を分担して他に任せることも実務に入ります。
例えば、セールストレーニングサービスの定義が定まれば、
人材開発部門が先頭に立ってプロジェクトをまとめるのが理にかなっているでしょう。

なぜなら最高のサービスを提供するために、各構成要素をどう一緒に機能させたらよいかに
関して重要な意思決定ができるのは、人材開発の専門家である彼らだからです。

2.説明責任者(Accountable)
最終責任を負う個人やチーム。
最終的な結果に対し賞賛されたり、非難されたりするのは彼らです。

例えばセールスイネーブルメントの場合、
責任を負うのはセールスイネーブルメントを担う人々です。

RACIモデル②

3.競業先(Consuluted)
特定領域の専門家のようにプロセスに対して何らかの貢献をしてくれるが、
特定の実務を担当するわけではありません。

顧客アナリストや業界アナリストなどアドバイザー的な役割の方々です。

4.報告先(Informed)
実務に特に関わりを持たないが、プロセスの状況を常に知らせておくべき人々です。
彼らのフィードバックは活動をより高いレベルに引き上げるのに効果的でしょう。

まとめ

今回は他部署間とのセールスイネーブルメントの
コラボレーションを進める上での役割について整理してきました。

1.実行責任者(Responsible)
2.説明責任者(Accountable)
3.競業先(Consuluted)
4.報告先(Informed)

コンテンツの種類ごとに、役割、担当、責任をあらかじめ設定しておくと
更に効率的にセールスイネーブルメントを進めることができるでしょう。