チャレンジャーセールスモデル -これから目指すべき営業モデルー

チャレンジャーセールスモデル -これから目指すべき営業モデルー

インターネットの発展や顧客の行動の変化によって
営業活動も変わってきています。

これからは顧客に対してインサイト(気付き、洞察)を
与える営業が求められてきます。

それが「チャレンジャー」と呼ばれる営業モデルです。
今回は営業モデルの紹介や成果を出す「チャレンジャー」型の営業の特長を紹介します。

顧客の活動の変化とインサイト営業

近年の営業活動において驚くべき統計結果があります。

「初回商談までに顧客の購買プロセスの57%が完了している」

以前はサービスの名前くらいは知っていて詳細は営業に教えてもらう、
というケースが多かったとおもいます。

しかし、インターネットやwebマーケティングの発展によって
検索をすれば興味のあるサービスの情報を簡単に得ることができるようになりました。

webマーケティングに力を入れていない企業は問い合わせ前に
かなりの失注をしている可能性もあります。

商談の機会を得られたとしても、見込み客は初回商談時点でサービスに関する
多くの情報を持っている可能性が高いです。
そのため提案力がますます求められます。

そこで競合に対して差をつけられるのが「インサイト」を与えられる営業です。

インサイト(insght)とは「洞察、見識」の意味で
顧客が気付かない課題を発見し、解決策を提供するスタイルです。

他の営業との違い
1.プロダクト営業
顧客の状態:課題、解決方法が明確

2.ソリューション営業
顧客の状態:漠然とした課題があり、解決方法が不明

3.インサイト営業
顧客の状態:課題も解決方法も顕在化していない 

1の場合はその名の通り、日用品や備品などカタチある製品営業です。
例えば印刷機の場合、課題や解決方法は明確ですよね?

この場合、製品知識や他社優位性の訴求が必要になります。

2の場合はIT企業など課題解決型の営業です。
<例>
課題:営業効率化のツールを導入したい
解決方法:名刺管理システム、SFA、リモートアクセス環境整備

そして3の場合、2と同じように「営業効率化のツールを導入したい」
という課題に対して、そもそもの課題を深堀りして仮説構築します。

・なぜツールを導入したいのか?
・売上が上がらない理由は何か?
・受注率は何%か?

などの課題から仮説を構築し、営業プロセスの最適化の重要性を提案します。
最終的には、営業プロセス最適化の手段としてITツールを提供します。

結果的に提供するサービスは他社と同じカテゴリーかもしれませんが、
顧客が想起できていなかった部分まで提案しているので
競合他社との差別化になり、コンペでの勝率もかなり変わってくるのでないでしょうか。

ではこのような営業になるためにはどのようなマインドが必要でしょうか?

営業モデルの分類とチャレンジャー

営業パーソンを分類すると以下の5つのタイプに分けられます。

(「チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」」を参考)

1.リレーションシップ・ビルダー(関係構築タイプ)
:誰とでもうまくやる、顧客の組織に協力な賛同者をつくる

2.リアクティブ・プロブレムソルバー(受動的な問題解決タイプ)
:細部に気を配る、すべての問題を解決する傾向がある、内外のステークホルダーから信頼される

3.ハードワーカー(勤勉タイプ)
:簡単にあきらめない、常にもうひと頑張りする

4.ローンウルフ(一匹狼タイプ)
:直観に従う、自信家、管理しにくい

5.チャレンジャー(論客タイプ)
:顧客のビジネスを理解する、顧客に強引に働きかける、議論好き

タイプによってパフォーマンスは異なるのでしょうか?

シンプルな案件でのハイパフォーマーの割合は
リレーションシップ・ビルダー:11%
プロブレムソルバー:18%
ハードワーカー:26%
ローンウルフ :25%
チャレンジャー:20%

と、そこまで変わりません。

しかし、複雑な案件(複雑な商材でリードタイムが長い)でのハイパフォーマーのうち、
54%がチャレンジャーです。

リレーションシップ・ビルダー:4%
プロブレムソルバー:7%
ハードワーカー:10%
ローンウルフ :25%
チャレンジャー:54%

チャレンジャーが複雑な案件で成果が出しやすい、というのはもちろんですが
関係構築(リレーションシップ・ビルダー)タイプは複雑な案件で成功しにくく、
ローンウルフ(一匹狼)タイプは案件の難易度に関係など一定数は常にいる、
というのも興味深いデータですね。

チャレンジャーの特長をもう少しみていきましょう。

チャレンジャーの特長

「チャレンジャー」営業の特長はこの5つです。

・顧客にインサイトを提供する
・顧客のビジネス理解があり、業績促進要因を知っている
・顧客のキーパーソンを見つけることがうまい
・キーパーソンを巻き込み共感を得ることをしている
・営業プロセスをリードすることができる

実際にこのような営業ができるようになるためには
標準化されたトレーニングが必要になってきます。

そんな時に活躍するのがセールスイネーブルメントになります。
(参考記事「セールスイネーブルメントのはじめ方」)

まとめ

顧客の購買プロセスの変化など案件の複雑化に
よって営業の在り方も変わってきています。

・求められる営業スタイル
インサイト営業
顧客が気付かない課題を発見し、解決策を提供するスタイル

・求められる営業モデル
チャレンジャー(論客タイプ)
:顧客のビジネスを理解する、顧客に強引に働きかける、議論好き

複雑な案件(複雑な商材でリードタイムが長い)でのハイパフォーマーのうち、
54%がチャレンジャーです。

・「チャレンジャー」営業の特長
:顧客にインサイトを提供する
:顧客のビジネス理解があり、業績促進要因を知っている
:顧客にプレッシャーをかけることができる
:顧客のキーパーソンを見つけることがうまい
:キーパーソンを巻き込み共感を得ることをしている

自社の営業チームにはインサイトを提供し、ハイパフォーマンスを上げている「チャレンジャー」型の営業はどれくらいいるでしょうか?