近年、働き方改革や新型コロナウイルスの影響で
リモートワークの導入が進んでいます。
リモートワーク主体になると商談もオンラインになります。
今まで訪問メインの営業パーソンは困惑することも多いでしょう。
今回は営業組織に向けたオンラインセールスの浸透のポイントをお伝えします。
オンラインセールスで営業パーソンが気を付けること
従来のオフラインでの商談とオンラインでの商談が何が変わるでしょうか?
まずは違いをまとめます。
・1日の商談数が増える
:移動時間が無くなるので1日の商談時間が1~2件増えます
(対策)
商談の準備に使える時間は増えるので慣れれば実はそんなに変わりません
(おそらく残業時間は今までより減るはずです)
・当日接続トラブルで商談できない場合がある
⇒オンライン会議ツールに慣れていない方も多いので
当日トラブルが起きる可能性もあります
(対策)
事前に接続手順を日程調整と一緒に共有しておきましょう
別な手段を準備しておくことも重要です(電話、別なオンライン商談ツールなど)
・画面越しのコミュニケーションになる
:画面越しなので複数参加者の場合、
表情が見えない場合や声が聞こえない場合もあります
(対策)
こまめな質問や確認をするようにしましょう
参加者の名前を呼んで質問や音声などの確認をすることがより重要になります
・集中できる時間が短い
:画面越しなので対面より集中できる時間は減ります
(対策)
飽きさせないようにしっかりと商談準備をして臨みましょう
ピンポイントなヒアリングやデモが重要です
・資料やデモが中心になる
:表情が見えにくく集中できる時間も短いので
資料やデモを見せながら商談を進めていくことが一般的です
(対策)
資料の作り込みとデモの準備をしっかり行いましょう
また、リモートワーク主体になると電話がつながりにくくなる可能性もあるので
ネクストアクションを握っておくことも重要です
このように営業パーソンには、オンライン商談に向けた対策が必要になってきます。
営業組織全体に浸透させるにどのようなアプローチが必要になるでしょうか?
オンライン商談を浸透させるためにすべきこと
1.営業マニュアルの準備
オンライン商談用の営業マニュアルを用意しましょう。
例:アポ確定メールの文例、オンライン商談ツールの使い方、トラブル時の対応方法
簡単に営業マニュアルの制作のポイントを紹介します。
・プロジェクトチームには現場の人間を参画させる
現場の方を絶対にプロジェクトチームに入れるようにしましょう。
普段の業務の中での細かい注意点や、忘れがちになる業務内容が明らかになるでしょう。
・フォーマットを統一する
フォーマットを統一して見やすくしましょう。
以下の項目は最低限入れるようにしましょう。
・「いつ」「誰が」「何を」「なぜ」するのか
また、業務のゴールを具体的に設定することも重要です。
・網羅性を出す
全体の営業フローを明示し、どのような状態の時にどのページの業務フローを参照するのかを記載する。
抜けている業務があればマニュアルに随時追加していく。
・誰にでもわかる言葉で書く
マニュアルを参照するのは新入社員が多いと思います。
社内用語や専門用語はなるべく使わずに表現するようにしましょう。
専門用語や社内用語の用語ページを作ることをおすすめします。
・定期的なアップデートをする
定期的に現場のメンバーから業務のフィードバックを受けて
マニュアルも日々改善していきましょう。
場合によってはマニュアルを改編する独立した部署を
設置することも良いでしょう。
2.アプローチブックの準備
売れるオンライン商談を営業組織で型化します。
方法としては、営業ツールのアプローチブックの導入をおすすめします。
アプローチブックとは、最適な商談の流れやトークの内容を他の営業メンバーが出来る限り
再現できるよう可視化し、落とし込んだ営業ツールです。
(アプローチブックの特徴)
・最適な商談の流れやトークの内容を整理
・トップ営業の手法や営業に携わる全員の英知を結集
・他の営業メンバーが再現できるよう可視化し落とし込んだ営業ツール
・「よくある質問」に対する切り返しや事例など、あらゆるケースを想定
・ヒアリングからクロージングまでを想定した万能な営業ツール
(制作のポイント)
1.現状把握
いきなり制作から始めずに現状分析が重要になってきます。
売れる営業の流れや、売れるセールストークを整理していきます。
詳細は「受注率をあげるアプローチブックの作り方ポイント①現状把握編」
を参考にしてください。
2.セールスストーリー
1で整理した内容を可視化させ、
「セールスストーリー」に落とし込みます。
例えば、ヒアリング時には「○○を確認する」、
プレゼン時には「○○という課題には○○という事例を紹介する」
とスクリプトというよりは「なにを伝える」かです。
詳細は「売れる必勝パターン!アプローチブックの作り方のポイント②セールスストーリー」
を参考にしてください。
3.制作
2で制作したセールスストーリーに基づいて制作していきます。
制作のポイントはこちらを参考にしてください。
(コラム「受注率をあげるアプローチブックの作り方ポイント③制作方法編」)
4.習得
通常は3までで終わりかと思いますが、ここがかなり重要です。
3で完成したアプローチブックを使いこなせるように浸透させます。
ここを中途半端にしてしまうとここまでのコストが無駄になってしまいます。
(コラム「受注率をあげるアプローチブックの作り方ポイント④習得編」)
5.徹底した営業ロープレの実施
営業マニュアルやアプローチブックを普段の営業活動で
活かせるように営業ロープレを実践します。
リモートワーク主体であればオンライン会議ツールを
利用するのもよいでしょう。
(コラム「やってはいけない営業ロープレの例|効果的な営業ロープレのポイントとは?」を参考に)
このような施策が営業組織には必要になってきます。
セールスイネーブルメントの導入
セールスイネーブルメントの体制を作っておけば
今回のような変化にも即座に対応することができるのです。
そもそもセールスイネーブルメントとは?
組織全体の売上を底上げするためには、各営業施策の取り組みを数値化し、
ボトルネックの改善や成功事例の型化をしていく必要があります。
このような取組みの総称がセールスイネーブルメントと呼ばれています。
セールスイネーブルメントのはじめ方
・カスタマーパスの整理
:顧客の心理的な変化に合わせた行動パターンを整理します
(例;認知⇒購買⇒評価)
・営業プロセスの整理
:カスタマーパスに応じた自社の営業プロセスを整理します
リモートワークがメインになると訪問⇒提案のプロセスも変わるでしょう
・営業コンテンツの準備
:カスタマーパスに沿って必要なコンテンツを制作します
アプローチブックや営業マニュアルもここに含まれます
・営業トレーニング
:営業の方法論の習得を目的とします
商談の方法(対面、オンライン)やそもそもの自社の営業プロセスの定着など
・営業コーチング
:日々の営業活動についてマネージャーがアドバイスします
・部署間連携
:定期的に各プロセスの歩留まりや営業パーソンのパフォーマンス(売上、受注率、活動量)を
分析し、改善案を出して会社全体で新しい施策を実践します
セールスイネーブルメントの対応を作っておくと
変化に柔軟に対応できる組織に自然となっていきます。
まとめ
リモートワークの普及によって商談のスタイルが変わり
営業組織も変わっていく必要があります。
(オンライン商談を営業組織に浸透させるための施策)
・営業マニュアルの準備
オンライン商談用の営業マニュアルを用意しましょう。
・アプローチブックの準備
売れるオンライン商談を型化します。
・徹底した営業ロープレの実施
営業マニュアルやアプローチブックを普段の営業活動で活かせるように営業ロープレを実践します。
・セールスイネーブルメントの導入
営業の改善サイクルを構築し、変化にも即座に対応できる体制を作りましょう。
リモートワークで生産性を上げるためには上記のようなアプローチが不可欠です。ぜひ実践してみてください。
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