営業の標準化で底上げした後の流れ:「守破離」の「破」と「離」について

営業の標準化で底上げした後の流れ:「守破離」の「破」と「離」について

皆さんの営業組織では営業の標準化は進んでいるでしょうか?

「営業の標準化によって会社全体の売り上げが向上した」
「営業組織全体の受注率が向上した」
「新人の早期即戦力化が実現した」

などうまくいってる企業も多いのではないでしょうか?

今回は、
・そもそも営業標準化はどのように進めるのか

そして
・実現した後、個々の営業パーソンはどう成長していけば良いのか

について紹介していきたいと思います。

営業の標準化による組織の営業力強化

まずは営業の標準化とはどのような状態を指すのでしょうか?

・営業の標準化のイメージ
営業の標準化とは?
営業の型をつくり、その型を全営業メンバーに浸透させる。
組織としての営業力を強化することを目的としています。

<例>
・課題
営業の型がなく、メンバーはそれぞれ属人的な営業活動をしている。
(日々の動き方や商談の進め方もバラバラ)
結果として受注率にかなりのバラつきがあり、全体の売上が上がらない。

・営業の標準化の効果
⇒営業の標準化を実現することでバラつきが小さくなり、
全メンバーの売上の平均値が向上。

・営業の標準化を実施するタイミング
創業メンバーが営業現場から離れるタイミングが良い。

<理由>
営業は、第2創業メンバーに任せることになり、ほとんど営業現場には足を運ばなくなります。
すると現場の営業へうまく営業手法が引き継げなかった為、なかなか思うような成果がでなくなります。

・営業の標準化の流れ
1.トップ営業へのインタビュー(or営業同行)
2.会議(細かく営業のシナリオを整理していく)
3.売れる営業シナリオの可視化(営業ツールの制作)
4.営業の型の浸透(定期的な営業ロールプレイングと実践経験)

2の段階でどうしてもまとまらない場合は、
弊社のような第三者的な視点を導入することも良いでしょう。

3の営業ツールはアプローチブックがおすすめです。

上記が営業の標準化のイメージであり、
実現することで会社全体の営業力が底上げされ、売上も拡大していくでしょう。

営業の標準化を実現したら成長が止まってしまうのでは?

もちろん営業の標準化を継続して続けていくことは非常に良いのですが、
営業パーソンのモチベーションはいかがでしょうか?

「なんとなく売れるようになったからそろそろ飽きてきたな」
「そろそろ別な商材を売ってみたいな」
「いつも同じやり方だと刺激がないな」

などと感じる営業パーソンも出てくるのでないでしょうか?
このような状態が進むと会社全体の成長が鈍化する恐れがあります。

そこで必要になるのが「守破離」のマインドです。
みなさん「守破離」をご存知でしょうか?

(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると)
もとは千利休の訓をまとめた『利休道歌』にある、「規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」を
引用したものとされている。

修業に際して、まずは師匠から教わった型を徹底的に「守る」ところから修業が始まる。
師匠の教えに従って修業・鍛錬を積みその型を身につけた者は、師匠の型はもちろん他流派の型なども含め、
それらと自分とを照らし合わせて研究することにより、自分に合ったより良いと思われる型を模索し試すことで
既存の型を「破る」ことができるようになる。

さらに鍛錬・修業を重ね、かつて教わった師匠の型と自分自身で見出した型の双方に精通しその上に立脚した個人は、
自分自身とその技についてよく理解しているため既存の型に囚われることなく、
言わば型から「離れ」て自在となることができる。このようにして新たな流派が生まれるのである。

個人のスキルを表すため、茶道、武道、芸術等、あるいはスポーツや仕事等々において
様々な成長のプロセスに用いることが出来、以下のように当てはめることができるとされている。

守:支援のもとに作業を遂行できる(半人前)。 自律的に作業を遂行できる(1人前)。
破:作業を分析し改善・改良できる(1.5人前)。
離:新たな知識(技術)を開発できる(創造者)。

実は営業の標準化にもこの考えは応用できるのです。

営業の標準化に置ける「守破離」の「破」と「離」について

それでは守破離を営業の標準化に当てはめてみましょう。

:支援のもとに作業を遂行できる(半人前)。 自律的に作業を遂行できる(1人前)。
→売れる営業の型を身につけ、案件を自力で進められるようになる。
平均以上の売上や受注率を達成できるようになる。

:作業を分析し改善・改良できる(1.5人前)。
→最新の営業トレンドやトップ営業の営業スキルを自分の商談に果敢に取り入れ、
自分ならではの営業スタイルを模索していく(営業の型に加えてプラスアルファを見つける)

離:新たな知識(技術)を開発できる(創造者)。
→自分自身の営業の型を見つけ受注率も会社でトップクラスに!
見つけた営業の型を組織に還元して、新たな営業の型を作る。

営業マネージャーの方は日々の1on1などのミーティングや
コーチングの際にメンバーに促してみると良いかもしれません。
(コーチングに関してはコラム「営業コーチングの必要性」を参考に)

このような取り組みもセールスイネーブルメントと呼べるでしょう。

まとめ

このように営業の標準化に「守破離」を用いることで
営業パーソンのモチベーションを保ち、会社の成長も維持することができるのです。

守:
→売れる営業の型を身につけ、案件を自力で進められるようになる。
平均以上の売上や受注率を達成できるようになる。

破:
→最新の営業トレンドやトップ営業の営業スキルを自分の商談に取り入れ、
自分ならではの営業スタイルを模索していく(標準の営業の型に加えてプラスアルファを見つける)

離:
→自分自身の営業の型を見つけ受注率も会社でトップクラスに!
見つけた営業の型を組織に還元して、新たな営業の型を作る。

ぜひ営業パーソンのモチベーション維持や更なる営業組織の強化を考えている方は
参考にしてみましょう。