インサイドセールスの組織化が進み、MAも活用した見込客の
リードナーチャリングを実践している企業も多いでしょう。
しかしこんなことはないでしょうか?
・MAにてスコアが上がったタイミングで獲得したアポを営業へパスしても受注につながらない
・インサイドセールスがBANT条件を抑えて営業へパスしても受注につながらない
・そもそも営業へパスしたリードが無視されている
参考記事:
BANT情報(条件)活用のコツ!インサイドセールスが質の良いリードを供給する方法
今回はこのような問題を解決する上で重要な概念であるABMを紹介していきます。
リードナーチャリングのKPI
リードナーチャリングといっても会社によって
施策やKPIが異なるでしょう。
代表的なリードナーチャリングのKPIを紹介します。
・アプローチ数:見込み客との接点数(主に架電数やメール送付数)
・アポ獲得数/率:アプローチした見込み客に対してアポにつながった割合
・案件化率:初回商談から商談に至った割合
・成約率:案件化した案件のうち契約に至った割合
しかし近年では電話がつながりにくくなり、
見込み客の獲得にも苦戦することが多くなった為
効率の良いリードナーチャリングが難しくなっています。
そこで効果が出るのがABMです。
ABMを活用した売上の向上
ABM(Account Based Marketing)には細かい定義は様々ありますが、
簡単に言うとターゲット企業を絞ったマーケティング活動です。
従来のマーケティング活動では汎用的なメールでキャンペーンや資料の紹介をし、
反応のあった企業にインサイドセールスがアプローチしてフィールドセールスにパスしていました。
ここまではうまくいっているのになぜか受注が伸びない、
パスしたけれど営業がアプローチしていない、ということもあるのでないでしょうか?
(ここまでの体制作りもかなり大変です。)
そこで重要になっているのがABMという概念です。
ABMを導入することでインサイドセールスの工数を軽減して
より質の高いリードを営業にパスできるようになるのです。
ABMとは
売上に直結するアカウント企業候補の洗い出しと、効率的な企業アプローチを実現するための手法
企業単位でスコアリングして、ターゲット企業(アカウント)からの収益の最大化を目指していく
※ただ、ABM導入の前提条件としては、
・商品・サービスが複数ある
・顧客とする企業・組織の意思決定が複数の担当者や部署にある
・MAを導入済み(個々のデータの蓄積やコンテンツの最適化が前提にあるからです。)
が挙げられるのでこれらが揃っていない場合は効果が薄いでしょう。。
ではどのようなステップでABMを導入し、どのように運用していくのが良いのでしょうか?
ABM導入ステップとKPI
導入前にすべきこと
1.ターゲットとなる顧客のピックアップ
・過去データの分析:どのような属性(業種、従業員規模、売上)の企業からの受注が多いのか(SFA、CRMの活用)
・営業からのヒアリング:データだけは取れない定性的な情報の抽出
(キーマンの特徴、SaaS事業者であればCSからのヒアリング)
2.データの結合とフローの構築
SFAやMAを活用してターゲットの絞り込みやMAによるコンテンツ提供を行います
3.ターゲット選定
絞り込んだターゲットに対してアプローチを開始します
4.アプローチ開始
2のデータの結合においてABMツールを用いることで
リード発生段階から属性情報を確認することができます。
※属性情報の例
・業界
・業種
・トレンド(前年比30%成長、採用に力を入れているなど)
・利用webサービス(MAを導入中など)
上記のような内容はHPに記載がありますが、リードが入ってきた段階で知ることができれば
インサイドセールスの工数をかなり減らすことできるでしょう。
更にABMを導入後は、以下のようなKPIも管理していくと効果が見やすでしょう。
ABM導入前のKPI
・マーケティング:リード数
・インサイドセールス:商談獲得件数
・営業:受注数
ABM導入後のKPI
・マーケティング:ターゲット企業からのリード数
・インサイドセールス:ターゲット企業からの商談獲得件数
・営業:ターゲット企業からの受注数
もう少しインサイドセールスの業務内容を深堀りしていきます。
インサイドセールスの変化とリードナーチャリングのKPI
従来のインサイドセールスの役割は、見込み客に対して情報提供を行い、
ホットな状態に引き上げてからフィールドセールスにパスをする役割でした。
見込み客の獲得はマーケティング部門が行うので
「反響型」と呼ばれることもあります。
ABMを行う際にはこのような「反響型」ではなく「新規開拓型」の
アプローチが必要になってきます。
つまり、ターゲット企業を事前に選定して
能動的にアプローチするアウトバウンド対応になります。
反響型のインサイドセールスがSDR(sales development representative)と呼ばれるのに対して
アウトバウンド型はBDR(business development representative)と呼ばれます。
BDRの主な業務は以下です。
・ターゲット企業への架電
・キーマンの特定
・キーマンの所属部署のミッションの特定
・他部署との関わりのヒアリング
・キーマンとの商談創出
■主なリードナーチャリングKPI
・ターゲット企業への架電数
・ターゲット企業のキーマンへの連絡数
・ターゲット企業からのアポイント数
まとめ
近年定着が進んだインサイドセールスとトレンドとなりつつあるABM。
実はインサイドセールスとABMを組み合わせることで
効率よくリードナーチャリングができるのです。
インサイドセールスのリソース不足や初回商談のリードの質に悩む場合は
ABMの観点も導入してはいかがでしょうか?
■従来のリードナーチャリングのKPI
・アプローチ数:見込み客との接点数(主に架電数やメール送付数)
・アポ獲得数/率:アプローチした見込み客に対してアポにつながった割合
・案件化率:初回商談から商談に至った割合
・成約率:案件化した案件のうち契約に至った割合
■ABMとは
売上に直結するアカウント企業候補の洗い出しと、効率的な企業アプローチを実現するための手法
■ABM導入後のKPI
・マーケティング:ターゲット企業からのリード数
・インサイドセールス:ターゲット企業からの商談獲得件数
・営業:ターゲット企業からの受注数
■ABMのインサイドセールス(BDR)の役割
・ターゲット企業への架電
・キーマンの特定
・キーマンの部署のミッションの特定
・他部署との関わりのヒアリング
・キーマンとの商談創出
■BDRのナーチャリングKPI
・ターゲット企業への架電数
・ターゲット企業のキーマンへの連絡数
・ターゲット企業からのアポイント数
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