カスタマーサクセスとは?KPIで使う指標を紹介

カスタマーサクセスが必要な理由と指標の整理

近年、注目のポジションであるカスタマーサクセス。
サービスの継続的利用が不可欠なサブスクリプションモデルにおいて
カスタマーサクセスは特に重要です。

顧客のサポートだけでなく、アップセル・クロスセルの
役割も担うカスタマーサクセスのポジションとは?

今回はカスタマーサポートとの違い、カスタマーサクセスがKPIとして追うべき指標、
更にKPIを達成するためにおすすめツールの紹介をしていきます。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

まずはよく聞かれるカスタマーサポートとカスタマーサクセスの
違いを整理します。

■カスタマーサポート
目的:顧客満足度の向上
態度:リアクティブ
利用データ:顧客の声(問合せ、アンケート)
責任範囲:顧客の悪い体験の改善
サービス:プロダクト販売後のアフターケア
業務:サポート
位置づけ:コストセンター

■カスタマーサクセス
目的:顧客の成功の実現
態度:リアクティブとプロアクティブの両方
利用データ:顧客の声と利用状況のデータ、調査
責任範囲:顧客の悪い体験の改善と良い体験の提供
サービス:プロダクトの性能を引き出すサービス
業務:サポート、顧客の学習の促進、拡大、アップセル
位置づけ:プロフィットセンター

となります。

カスタマーサクセスがKPIとして追う指標

■LTV(Life Time Value)
顧客生涯価値を意味します。企業と顧客が継続的に取引することで
顧客が企業にもたらす価値(利益)の総計のことです。

LTV = 平均購買単価 x 購買頻度 x 継続購買期間
で算出することが可能です。

カスタマーサクセスは契約後の顧客との継続的な取引になるので
LTVは重要な指標になります。

■オンボーディング完了率
自社提供したサービスに対して顧客のどれくらいの割合で
定着しているのかを示す指標です。

オンボーディングとはサービスを使い始めて活用できるように
なるまでの一連のプロセスのことです。

例えば、
・〇か月以内に〇〇の設定まで完了し、○○機能が使いこなせていれば「オンボーディング完了」
・ユーザのうち平均〇%以上が毎日ログインしていればOK

など提供しているサービスや顧客の様子を見て設定していきます。
オンボーディングまでの期間は短い方がよいので
定期的な説明会の実施やチュートリアルの準備が必要です。

■チャーンレート (Churn Rate)
顧客離脱率、解約率を意味しています。
普段「チャーン」と略されて使われることがあります。

一般的に新規顧客獲得のコストは顧客の維持のコストの5倍高いという調査結果もあり、
顧客維持を無視して新規顧客獲得を続けるといずれコスト高になり、
事業の成長が止まってしまう可能性も高いです。

逆に顧客数が少なくてもChurn Rate が低ければ、事業は今後伸びる可能性があります。

■ネガティブチャーン(Negative Churn)
顧客の逆離脱率
つまりアップセルやクロスセルにより
アカウント当たりの収益が増える可能性があります。

例えばサブスクリプションビジネスであるSaaSは売り切りのビジネスと異なり、
「顧客にずっとサービスを提供し続けることで、
既存顧客からのアップセルやクロスセルを狙いやすい」
という特徴があります。

■NPS(ネット・プロモーター・スコア)
顧客からの追加契約による売上になります。
顧客ロイヤルティ、顧客の継続利用意向を知るための指標。
「顧客推奨度」や「正味推奨者比率」と訳される場合もある。

具体的には、
「0~10点で表すとして、この企業(あるいは、この製品、サービス、ブランド)を親しい友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」
というものになります。

このスコアや回答者を参考にすることでロイヤルティの高い顧客把握や
アップセルのターゲット選定だけでなく、解約予備軍へのアプローチも可能になります。

ではこれらの指標を改善していくためにどのようなツールを活用すべきでしょうか?

カスタマーサクセスのKPI管理に必要なツール

顧客のサクセスに伴走し、カスタマーサクセスですが
ツールを活用することで解約率の低下やアップセル・クロスセルの
可能性が高まります。

例えば以下のようなツールがあります。

【1】チャットサービス
顧客が問合せした内容に即座に応えるチャットサービス。

まるで同じ場所で会話をしているかのような即時的な
コミュニケーションになるので顧客の満足度も向上するでしょう。

具体的には以下のようなメリットがあります。
・問い合わせ数や売上の増加が見込める
チャットで気軽に質問ができるため、顧客との接点も増えます。
そのため見込顧客からの問い合わせも増え、売上増加にもつなげられます。

・訪問ユーザーの行動がわかる
リアルタイムでwebページから問い合わせができるため、
「閲覧しているページ」や「滞在時間」「チャット履歴」などを
もとに行動分析を行うことも可能です。
滞在時間に応じてポップアップを出せるようなサービスもあります。

解約を防ぐことができるようになるだけでなく、普段のコミュニケーションから
アップセル・クロスセルにつながることもあります。

【2】web会議システム
Web会議システムを使うことで遠隔地でもカメラやマイクを使用することで、
実際に顔を合わせているかのように、会議やミーティングができるシステムです。

SaaSを利用している顧客に対して、チャットだけでもどうしても意図が伝われない場合や
画面を共有して実際の操作をレクチャーしたい場合はWeb会議システムを用いると良いでしょう。

【3】カスタマーサクセス管理ツール
チャットで質問が来ればサポートは可能ですが、
実は気付かないうちに顧客の不満が高まっていることもあるでしょう。

そんな時に使えるのがカスタマーサクセス管理ツール
顧客のサービス活用率を確認し、なかなか利用できていない顧客へ
カスタマーサクセスがアプローチできるようになります。

また、ツールによってはNPSの測定も可能です。

【4】CRMツール
顧客との対応履歴を一括で管理できるようになり、
クロスセルやアップセルのチャンスを逃さずアプローチできるようになります。
また売上の管理もできるのでLTVの変化にもすぐに気付けます。

まとめ

近年ビジネスモデルの変化によりLTVの最大化を目指す必要があります。
こうした状況の中、ますますカスタマーサクセスの役割は増してきています。

今回はカスタマーサクセスがKPIとして追うべき指標やおすすえのツールを紹介しました。

(役割)
■カスタマーサクセス
目的:顧客の成功の実現
態度:リアクティブとプロアクティブの両方
利用データ:顧客の声と利用状況のデータ、調査
責任範囲:顧客の悪い体験の改善と良い体験の提供
サービス:プロダクトの性能を引き出すサービス
業務:サポート、顧客の学習の促進、拡大、アップセル
位置づけ:プロフィットセンター

(追うべき指標)
■チャーンレート (Churn Rate)
■LTV(ライフ・タイム・バリュー )
■オンボーディング完了率
■ネガティブチャーン(Negative Churn)
■NPS(ネット・プロモーター・スコア)

(おすすめツール)
■チャットサービス
■web会議システム
■カスタマーサクセス管理ツール
■CRMツール

カスタマーサクセスの立ち上げやKPI管理に悩む方はぜひ参考にしてみてください。