近年営業プロセスの分業化が進んでいます。
マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス
のように役割を分け、それぞれの組織間での連携を強化するような仕組みです。
こうした仕組の中でリード、MQL、SQL、受注件数のKPIを置き、
「データドリブン営業」と呼ばれるデータを活用した営業活動が普及してきています。
営業活動の中で様々なデータを収集してそのデータを活用して
日々のマネジメントや改善活動に活かしていくような手法です。
実はこの手法が採用でも活きるのです。
今回はデータドリブン営業と採用の類似点を紹介していきます。
営業と同じように採用を科学する
例えば、営業活動を記録していくと様々なデータを蓄積できます。
・リード件数:100
・初回訪問件数:50
・案件化化数:30
・クロージング件数:20
・受注件数:10
だとします。
ここからわかる指標としては
アポ獲得率(リードからの初回商談化率)が50%
初回商談からの案件化率が60%(30/50)
初回商談からの受注件数が20%(10/50)
ということがわかります。
これを採用活動に置き換えてみるとどのように表せるでしょうか?
・応募件数:100
・面談件数:50
・最終面談件数:30
・オファー件数:20
・内定承諾件数:10
同様に、ここからわかる指標を整理してみます。
書類通過率(リードからの初回商談化率)が50%
面談からの面談通過化率が60%(30/50)
面談からの内定率が20%(10/50)
ということがわかります。
ますます困難になる採用活動
なぜこのような分析が必要になるのでしょうか?
ご存知の方も多いように近年採用が激化しております。
dodaの調べ(転職求人倍率レポート(2019年9月))によると現在エンジニアの有効求人倍率は10.3倍と
なっており採用することがかなり困難な状況になっています。
このような時に人材紹介会社を利用するのが定石でしたが
年収の25%~40%を一人採用する度に払うのが非常に大変です。
かといって求人広告をたくさん出稿するというのも
母集団形成には役に立ちますがその中から一人も採用できなかったら
意味がありません。
そこで最近ではオウンドメディアリクルートティングという
自社コンテンツを使って直接応募を増やす取り組みを始めた企業も多いです。
しかし様々な施策を回すことになり、結果の振返りが簡単ではなくなってきています。
自社にはどのような施策が一番採用につながっているのか、
データを活用した採用活動がこれから必要になってきます。
データを活用した採用活動
ではデータを活用した(データドリブン)
採用活動はどのように進めていけばよいのでしょうか?
最初に着手すべき項目を紹介します。
・採用候補者の獲得のための施策を整理
(例)オウンドメディア、求人広告、人材紹介、リファラル、ダイレクトリクルーティング
・採用プロセスの整理
(例)
リード
⇒書類選考
⇒カジュアル面談
⇒一次面接
⇒二次面接
⇒最終面接
⇒オファー
⇒内定承諾
⇒入社
・採用基準の明確化
(例)
書類:PM経験5年以上
面接:カルチャーマッチ、マインドセット、希望年収(ポジション毎に明確化)
・計測方法を確定
(例)スプレッドシート、CRM、ATS
準備が整ったら営業と同様に採用も目標設定をしてみます。
・指標を営業メンバーの目標設定に利用する
例
書類通過率:50%
内定率:10%
更に採用にかかる平均採用単価を事前に調べておくと採用活動目標に
連動した採用コストの目標も立てやすくなります。
.指標を採用チームの行動目標に落とし込む
面談回数:20件
オファー件数:5件
内定承諾人数:2人
というようにデータを活用することで採用活動でも目標設定の精度も上がり
日々のPDCAも回しやすくなるのでしょうか?
採用施策毎の数字も計測できるためリソースの分配にも活かすことができます。
更にこれを実践するためのプラットフォームとしてATSやエクセルが必要となります。
採用チームがデータを入力しやすいようなツールを選ぶことも重要です。
まとめ
「データドリブン営業」と呼ばれるデータを活用した営業活動が進む中
採用活動でのデータ活用について紹介してきました。
営業の場合
・リード件数:100
・初回訪問件数:50
・案件化化数:30
・クロージング件数:20
・受注件数:10
アポ獲得率(リードからの初回商談化率)が50%
初回商談からの案件化率が60%(30/50)
初回商談からの受注件数が20%(10/50)
採用活動に置き換えた場合
・応募件数:100
・面談件数:50
・最終面談件数:30
・オファー件数:20
・内定承諾件数:10
書類通過率(リードからの初回商談化率)が50%
面談からの面接通過化率が60%(30/50)
面談からの内定率が20%(10/50)
更に営業と同様に入社した後も社内で成功体験を積むための
仕組作りが必要になってきます。
営業ではカスタマーサクセスですが
HRではエンプロイーサクセスと呼ぶそうです。
このように営業と採用では共通すべき点がかなり多いです。
データを活用した採用活動を進めてみてはいかがでしょうか?
ぜひ採用に悩む企業の参考になれば幸いです。
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