データドリブン営業が失敗する理由

データドリブン営業が失敗する理由

「データドリブン営業」と呼ばれるデータを活用した
営業活動が普及してきています。

具体的には営業活動の様々なデータを収集して
そのデータを活用して日々のマネジメントや
改善活動に活かしていくような手法です。

しかし、このような営業活動をするために
データを収集できる仕組は作っても
なかなかうまく機能しないケースがあります。

今回はデータドリブン営業の例やうまくいかない理由について
紹介していきます。

データを活用した営業活動の例

営業活動を記録していくと様々なデータを蓄積できます。

例えば、
・リード件数:100
・初回訪問件数:50
・案件化化数:30
・クロージング件数:20
・受注件数:10

だとします。

ここからわかる指標としては
アポ獲得率(リードからの初回商談化率)が50%
初回商談からの案件化率が60%(30/50)
初回商談からの受注件数が20%(10/50)
ということがわかります。

このようにデータを蓄積して日々PDCAを回していけばよいのですが
なぜかうまくいかないケースがあるのです。

データの活用方法がわからない

先述したように収集したデータから営業活動に必要な指標を
選び出せればよいのですが以下のような理由でうまくいきません。

(例)
・データドリブン営業を進めるためにツールをとりあえず導入
営業支援ツールを導入すれば自然とデータドリブン営業が促進すると
勘違いしてツールのみを導入してしますケースです。

日々の営業マネジメントや営業の目標設定に全く活用できていません。

場合によっては営業パーソンが活動情報をほとんど入力せず、
データの蓄積すらできないこともあります。

このような事態に陥らないためにもデータを活用した
営業活動戦略を事前に策定しておくことが必要になります。

具体的にはどのようなステップで進めるのが望ましいでしょうか?

データを活用した営業活動

データドリブンな営業活動の例を紹介します。

1.計測したい指標をあらかじめ明確にする
例:初回商談化率、案件化率、受注率
※マーケティング部門と連携してチャネル(顧客流入経路)毎の受注率や
各キャンペーン毎の受注率も計測するとよいでしょう。
部門間で連携した施策の振返りがしやすくなり事業全体のPDCAも加速するでしょう。

2.指標を営業メンバーの目標設定に利用する

案件化率:50%
受注率:20%
更に平均受注単価を事前に調べておくと行動目標に連動した売上目標も
立てやすくなります。

3.指標を営業メンバーの売上目標や行動目標に落とし込む
平均受注単価が100万円の場合
売上目標:1000万円

チーム平均
案件化率:50%
受注率:20%

行動目標
初回商談:50件
案件化:20件
受注:10件

平均受注単価が100万円なので
100万円 × 10件 = 1000万円

というようにデータを活用することで目標設定の精度も上がり
日々のPDCAも回しやすくなるのでしょうか?
(売上目標に届かなそうな時にどこの数値が足りないのかを検証する習慣がつくなど)

更にこれを実践するためのプラットフォームとしてSFAやエクセルが必要ですが
現場の営業がデータを入力しやすいようなツールを選ぶことも重要です。

まとめ

「データドリブン営業」と呼ばれるデータを活用した営業活動を
進めるためのポイントを整理してきました。

・計測したい指標をあらかじめ明確にする
例:初回商談化率、案件化率、受注率

・指標を営業メンバーの目標設定に利用する

案件化率:50%
受注率:20%

・指標を営業メンバーの売上目標や行動目標に落とし込む

平均受注単価:100万円
売上目標:1000万円

チーム平均
案件化率:50%
受注率:20%

行動目標
初回商談:50件
案件化:20件
受注:10件

100万円 × 10件 = 1000万円

ツールのみを導入してもデータを活用して営業活動は浸透しません。
ツールを導入せずとも案件数や商品数がそれほど多くない場合は
エクセルでも運用は十分可能です。

まずは受注までの営業プロセスを整理し、
それぞれのプロセスでの数値の計測状況を確認しましょう。

数値が計測できる環境が整ったら、営業会議の中で定期的に共有していきましょう
このようなデータドリブンが取り組みがセールスイネーブルメントへつながっていくのです。