営業の標準化(型化)の必要性
スリーシーズが提供する「営業の標準化」とは、営業の型をつくり、その型を全営業メンバーに浸透させ、組織力を強化することを目的としています。
近年労働人口の減少により営業においても人員不足が陥る企業も少なくなく、生産性向上が求められています。
全国の経営者・営業職300名を対象にした「営業育成に関する実態調査 2022」(株式会社UKABU)によると、営業組織の課題の中で33.0%と最も多くあげられていた課題は「営業の育成」でした。「営業育成」を組織課題にあげている企業の中でも、36.7%は「営業育成に現在は取り組んでいない」との結果でした。
更に新型コロナウイルス感染症の影響もあり、働き方も大きく変わっています。その中で、リモートワークの進展は商談などの営業活動にも大きく影響を及ぼしています。
2019年12月〜2020年3月の期間、管理職1,070人を対象に実施した「【管理職1,070人の意識調査】」(株式会社ラーニングエージェンシー)によると管理職の悩み1位は5年前と変わらず「部下の育成」。5年前より10%増加し半数を超えています。
これらの調査結果から部下の育成に課題を感じている管理職が多いことが伺えます。リモートワークではメールやチャットのようなテキストコミュニケーションが中心となります。文字でのコミュニケーションでは「指示や意図が伝わりにくい」などがあり、営業の生産性が低下しかねません。
このため、リモートワークの状況下でも営業の生産性を高める仕組みが必要です。その仕組みが「営業の型」です。
営業の標準化(型化)とは?
スリーシーズが提供する「営業の標準化」とは、営業の型をつくり、その型を全営業メンバーに浸透させ、組織力を強化することを目的としています。
営業の標準化(型化)のメリット
育成コストの削減だけでなく営業の標準化を進めることには以下のようなメリットがあります。
・営業組織全体に売れるの営業の型が浸透することで、営業力の底上げにつながる
・一部のトップ営業の「個人プレー」から全体で平均点を上げる「チーム営業」に変わり業績が安定する
・見込客の理解度が上がり、案件化率や受注率が向上する
営業の標準化(型化)の流れ
・セールスストーリーの設計
トップ営業の「売れる商談」を分析し、属人化していた営業ノウハウの「見える化」します。具体的には「なにを」「どう」「いつ」伝えているか?売れる営業の「話題の選び方」「その伝え方」「順序やタイミング」を調査・分析し、顧客目線を加え、独自の「売れる商談の構造」を使って商談を設計します。できあがった自社オリジナルのセールスストーリーは、営業組織に共有。チームや組織で受注率の底上げをしていきます。
参考ページ:セールスストーリー
http://salestool.jp/optimization/index.html
・営業ツールの制作
作成したセールスストーリーに沿った営業ツールを制作します。営業の基本的な流れを踏襲して作り、あくまで読んでもらうのではなく、営業の補足資料とお考えください。文字だけでは伝わりづらい表現は、図や表を入れることによって伝わりやすくなります。 パワーポイントのようなファイル形式で作成し随時アップデートが行えるような編集しやすいと良いでしょう。
参考記事:新人からトップセールスまで使える営業ツール|アプローチブックとは?
・営業ツールの使い方の浸透
ケーススタディを多様し、リアリティある営業ロープレを実施して営業ツールの使い方を浸透させます。
概要よりも、実例。一般論より、具体論。このように営業ツールを活用するための研修では、実践に即したトレーニングを行います。営業ツールで標準化をしても、結局それを操るのは「人」。
営業ツールという「武器」を与えても、それを操る「人」を育成しなければ、せっかく全員の叡智を集結した営業ツールも宝の持ち腐れです。
営業の標準化(型化)の参考になるフレームワーク
型化を進める中で参考になるフレームワークを紹介します。主に商談の中でのヒアリング時に活用できるしょう。
BANT
Budget:予算(予算はどのくらいか?)
Authority:決裁権(会う人は決定権を持っているのか?)
Needs:必要性(企業が導入の必要性を感じているのか?)
Timeframe:導入時期(導入・購入する時期は?)
上記の頭文字をとってBANT情報と呼ばれています。
MEDDIC
MEDDICとは、Jack Napoli氏が考案した手法で、
・Metrics(測定指標)
・Economic Buyer(決裁権者)
・Decision Criteria(意思決定基準)
・Decision Process(意思決定プロセス)
・Identify Pain(抱えている課題)
・Champion(自社サービスの擁護者)
の頭文字をとっています。
Economic Buyer(決裁権者)、Champion(自社サービスの擁護者)など購買関係者について二つの指標があります。他はBANTに近しい指標が多いですが、このフレームワークは比較的金額が大きい案件やエンタープライズのような購買プロセスが複雑な企業へのアプローチに向いています。
参考記事:「MEDDIC」とは?BANTだけじゃない最新の営業フレーワーム
https://saleskyouka.jp/blog/eigyoumarketing37/
SPIN話法
営業パーソンの行動様式を統計分析した英国人行動心理学者のニール・ラッカム氏により開発・体系化された営業の技法です。
以下の4つの種類の質問を進めることにより、顧客の置かれている状況が明らかになり、そこで起こっていることが「問題である」という認識がされ、顕在化された問題に対してプレゼンをすることで提案が受け入れやすくなります。
- 状況質問(Situation)→顧客の現状を理解する
- 問題質問(Problem) →顧客のニーズを明確にし、気付かせる
- 示唆(Implication)質問→問題の重要性を認識させる
- 解決(Need payoff)質問→理想の状態をイメージさせる
(具体例)
- 状況(Situation)質問
「営業体制(人員数)、売上目標と売上高の差、自社サービス拡大のために取っている営業施策はどのような状況ですか?」
- 問題(Problem)質問
「状況質問で出てきた情報に関して「商談相手」はどうお考えですか?
- 示唆(Implication)質問
「その状況がこのまま続くと、どのような状態になることが予想されますか?」
- 解決(Need payoff)質問
「我々のサービスであれば、こういう解決が可能だが、どうお思いになりますか?」
ただ注意点として、上記のような質問に答えていただくには、ある程度の信頼関係を構築しておく必要があります。アプローチ段階で距離を少しでも縮めてからヒアリングに移りましょう。
参考記事:営業の原理原則を考える|SPIN営業をご存知でしょうか?
https://saleskyouka.jp/blog/eigyouryokukyouka31/
営業の標準化(型化)の注意点
「営業の型」という言葉を用いて説明をすると、お客様から下記のような反応を受けることがあります。
「でも、型に嵌めてしまうと個が活きないのではないか?」
この言葉には、誤りが2つあると考えています。
「型に嵌める」ではなく「型を身につける」
1つめは、型とは嵌めるものではなく、身につけるものという点です。
それぞれの意味を考えてみます。
「型に嵌める」とは、型から身動きできないようにすること。
「型を身につける」とは、型を覚えて自分なりに破っていくことです。
「営業の標準化」は、まさに後者を指します。
「型を覚えて自分なりに破っていく」とは?
少し話が変わりますが、ゴルフを例に考えてみます。ゴルフの上手な方に「上手くなる秘訣は何ですか?」と聞くと、「自己流の手グセがつく前に、レッスンを受けなさい」と言われます。
まずは、初心者の段階で徹底的に基本の打ち方を体に覚えさせて、繰り返し実践を重ねることが上達の秘訣だそうです。
2つめは、型を身につけてはじめて個が活きる、という点です。また、ゴルフの例に戻りますが、基本の打ち方を身につけると、そこから「もう少しここの角度を変えた方が飛距離が伸びそうだ」など、基本の型をベースとしながらも、自分なりに応用のポイントがわかり、さらに早く上達するのだそうです。
「型」を身につけて応用する
まずは、徹底的に営業の「型」を身につけて、何度も繰り返し、社内あるいは社外で実践を重ねていく。
例えば、
アプローチ
ヒアリング
プレゼンテーション
クロージング
の基本的な流れは最初のうちに身につけておくべきです。このことを通じて、自分なりに気づきが得られ
「ここのトークは、もう少し事例を交えて説明してみよう」
「この質問が出たときには、このように切り替えしたほうが良さそうだ」といった、応用(=型を破る)ができるようになります。
結果、営業パーソンとしての個をうみだし、受注率も更に向上します。
まとめ
以上のように営業の「型」を身につけるということは、より個々の魅力を活かすためのベースとなります。営業の型もゴルフと同様、自己流の商談グセがつく前の若手営業メンバーにこそ、最大の効果を発揮すると言えます。
■営業の標準化(型化)とは
営業の型をつくり、その型を全営業メンバーに浸透させ、組織力を強化する
■営業の標準化(型化)のメリット
・営業組織全体に売れるの営業の型が浸透することで、営業力の底上げにつながる
・一部のトップ営業の「個人プレー」から全体で平均点を上げる「チーム営業」に変わり業績が安定する
・見込客の理解度が上がり、案件化率や受注率が向上する
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