キャッシュフロー決算書の見分け方|営業準備・営業戦略の参考に!

 

 

営業のみなさんは新規でアプローチする企業に対して事前準備をすると思います。
会社概要、事業内容、競合会社、業界のトレンドはもちろんのこと
IRや財務諸表をチェックする方もいると思います。

また、営業マネージャーや経営者のみなさんは自社の財務状況から
今後の商品開発や営業戦略などを検討するのでないでしょうか?

そこで大事になってくるのがどれだけのキャッシュ(現金)を
稼ぎ、どれだけ投資に回して、どれだけ株主に配当するのか、
考えることです。

どんなバランスが良いのでしょうか?

ということで今回はキャッシュフロー計算書を
読み解くポイントをお伝えします。

 

キャッシュフロー計算書の重要性

改めて、キャッシュフロー計算書はある時点にどれだけの
現金が残っているのかを示す計算書です。

これを読み解くことで損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)
だけでは分からない会社の実情がわかるのです。

以前もお伝えしたように高額な売上が計上されていても
実際には企業に資金が起こっておらず、借入金などの返済ができずに
倒産するような「黒字倒産」も見られます。
(コラム「営業も知っておくべき決算書の読み方|営業活動の商談準備」

なのでキャッシュフロー計算書を読み解くことは重要なのです。

しかし、営業キャッシュフローがプラスならばよいのでしょうか?
成長している新興ベンチャーなどは利益を度外視した営業活動や
先行投資を行っていてマイナスになるケースもあります。

事業内容やビジョンも絡めて考えていくことも必要です。

 

営業前に細かく見ている時間はない?

しかし一日に何件も営業する場合や担当企業が多い場合、あまり時間はないでしょう。

「1社1社の3C分析をしている時間はない」
「事業内容を抑えるので精一杯」
「とりあえず会社概要と組織図を印刷してきたから大丈夫」
など準備に長い時間をかけることは難しいでしょう。

ということで今回は、
営業・投資・財務キャッシュフロー(CF)の値のプラス、マイナスだけで
判断できるポイントをお伝えします。

 

キャッシュフローの8パターンの

1.
営業CF:プラス
投資CF:マイナス
財務CF:マイナス

健全型
本業が順調であり(営業CFプラス)、
投資と借金の返済を同時に行っている(投資CFマイナス、財務CFマイナス)状況。

2.
営業CF:プラス
投資CF:マイナス
財務CF:プラス

積極型
本業が順調であり(営業CFプラス)、
さらに融資などによって資金調達(財務CFマイナス)を行っている状況。
借りたお金を使って投資も行っているので、かなり積極的に動いている。

3.
営業CF:プラス
投資CF:プラス
財務CF:プラス

安定型
好調な本業(営業CFプラス)に加え、
資産の売却(投資CFプラス)や借入による資金調達(財務CFプラス)を行い、
事業転換や将来の新規投資等に備えている可能性がある。

4.
営業CF:プラス
投資CF:プラス
財務CF:マイナス

改善型
本業は順調であるが(営業CFプラス)、
不要資産の売却(投資CFプラス)し、借入金の返済(財務CFマイナス)を行い、
財務体質のスリム化を進めている状況。

5.
営業CF:マイナス
投資CF:マイナス
財務CF:プラス

勝負型(赤字ベンチャー)
本業が不調であり(営業CFマイナス)、
借入れた資金(財務CFプラス)で投資(投資CFマイナス)を行い、
体制の立て直しや、状況を打破するような新たな策を試みている状況。

6.
営業CF:マイナス
投資CF:プラス
財務CF:マイナス

リストラ型
本業が不調であり(営業CFマイナス)、
資産を売却(投資CFプラス)し、借入の返済や配当(財務CFマイナス)に充てている。
全体を縮小させて均衡させようとしている状況。

7.
営業CF:マイナス
投資CF:マイナス
財務CF:マイナス

大幅見直し型
本業が不調であるものの(営業CFマイナス)、
過去に得た資金を使って投資(投資CFマイナス)や借入の返済・配当(財務CFマイナス)
を行っている状況。長期化はかなり危険なので大幅見直しが必要。

8.
営業CF:マイナス
投資CF:プラス
財務CF:プラス

救済型
本業が不調であり(営業CFマイナス)、
資産の売却(投資CFプラス)および借入(財務CFマイナス)によってでしか、
キャッシュを得られず、投資家や金融機関からの借り入れで凌いでいる状況。

 

まとめ

以上のように、キャッシュフロー計算書の
パターンから企業の状態を推測することができます。

担当企業が多く、時間がない営業の方や、
自社の商品開発や今後の営業戦略を考えるマネージャーの方、
是非上記8パターンを参考にし、今後に活かしてください。

みなさんの業務にきっと役に立つはずです。

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