営業活動する前に事前準備をすると思います。
会社概要、事業内容、競合会社、業界のトレンドなど
様々でしょう。
特に新規でアプローチする企業に対しては
事前準備が重要になってきます。
(コラム「これだけは必ず!初回商談前に準備すべき3C分析」)
しかし、せっかく受注したのに財務状態が悪くて取引できない、という場合もあります。
例えば、
新規でアプローチし、数回の商談を経てようやく受注。
その後、社内で受注登録をしていると、法務部門から連絡があり、
「○○会社は財務に問題があり、取引ができません」
というケースです。
社内に審査システムがあり、アプローチできる企業の基準が
明確な場合は良いですが、全てがそういった企業ではありません。
今回は決算書の読み方のポイントをお伝えします。
「黒字倒産」の理由を説明します
もちろん、訪問する前に公開されている売上や営業利益を
確認する方も多いと思います。
そして
「この会社は10年連続で売上が拡大している」
「営業利益も毎年出している」
「良い会社だ」
と安心してしまうこともあるのでないでしょうか。
しかし「黒字倒産」という言葉があるように
一見黒字なので突然倒産してしまう企業もあるのです。
だから「キャッシュフローが重要」というのはよく聞くと思います。
それでは「キャッシュフローが重要」な理由は説明できるでしょうか?
知っている気になっていませんか?
今回は改めて「黒字倒産」になる理由やそのリスクを見分け方を
お伝えしてきたいと思います。
「黒字倒産」とは?
まず「黒字倒産」の原因は何でしょうか?
一般的に「黒字倒産」とは
損益計算書上では黒字の状態であるにもかかわらず、
資金繰りの関係で企業が倒産してしまうこと
とされています。
具体的にはどんなケースでしょうか?
例えば以下のような企業があったとします。
(損益計算書上)
売上:10,000
営業利益:400
一見するとしっかりと売上を出していて倒産とはほど遠いように思います。
しかし黒字倒産に陥る危険があるのです。
大きな理由としては、
過剰な借り入れや売上債権の過剰です。
例えば上記で述べた企業では、
支払い利息が
500
あったとします。
売上が高く、営業利益も出していて安全そうですが
実は返済の利息分の方が本業の利益より多いという状況です。
ある流通業で
仕入れ(30日)→販売→回収(30日)(売掛金など実際に回収するのは販売より後)
の流れで仕入れから実際に販売して現金が入ってくるまで60日間かかります。
損益計算書上は販売の時点で売上として計上されます。
何が問題かいうと、
仕入れ時に支払うべき買掛金が45日後だとすると、
現金が入ってくる15日前に資金が不足してしまいます。
他に借りるあてがない場合は、支払いが滞ってしまい、
会計上は黒字なのにつぶれてしまう「黒字倒産」に陥ってしまうのです。
決算書からリスクを判断するポイント
そこで絶対に確認すべきがキャッシュフロー計算書なのです。
キャッシュフロー計算書は、
実際にどれだけの現金が企業に残っているのかを示します。
キャッシュをどのように使ったかを見るために3つに分けられています。
営業活動によるキャッシュフロー
商品の販売やサービスの提供など、会社が日々の営業活動から得たキャッシュ
投資活動によるキャッシュフロー
固定資産(会社の営業活動に必要な建物や工場など)の取得及び売却で増減したキャッシュ
<例>
固定資産を取得すると会社の資産が出ていくのでマイナス
固定資産を売却すると現金が入り、投資キャッシュフローはプラスの値となります
財務活動によるキャッシュフロー
営業活動や投資活動を維持するために調達または返済されたキャッシュ
<例>
金融機関からの資金調達・返済
株式発行による資金調達・配当金の支払
社債発行による資金調達・償還
マイナスの場合には、金融機関からの借入金の返済、社債の償還が進んでいる。
逆にプラスの場合には、金融機関からの借入金や
社債発行で資金を調達しているケースが多いといえます。
まとめ
以上のように、売上や利益だけでなく、
どれだけ現金が入ってきているのかを示す
キャッシュフロー計算書も確認することも重要です。
「売上成長○○%」や「○○年連続成長」は
一見するとすごいと感じますが危険が潜んでいる場合もあります。
営業活動だけでなく、自社のビジネスモデルを考える際にも
きっと役に立つはずです。
是非参考にしてみてください。
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