以前のコラム(「インサイドセールスを有効に進めるポイント」)でも
お伝えしましたが、インサイドセールスは見込客を育成し、
温まった状態で営業に渡すというマーケティング支援と営業支援の役割を担っております。
しかし営業への情報共有時にトラブルもあるのではないでしょうか?
そんな時に使えるのが「BANT」と呼ばれる営業のヒアリング項目です。
今回はインサイドセールスから営業へパスする際に
有効なBANT情報(条件)の活用方法についてお伝えしていきます。
BANT情報とインサイドセールス
まずBANT情報とは?
Budget:予算(予算はどのくらいか?)
Authority:決裁権(会う人は決定権を持っているのか?)
Needs:必要性(企業が導入の必要性を感じているのか?)
Timeframe:導入時期(導入・購入する時期は?)
上記の頭文字をとってBANT情報と呼ばれています。
テレアポ段階でBANT情報をおさえることで,その後の訪問営業を有効に進めることができるようになります。
<例>
Budget:予算 が明確な場合
予算をヒアリングし、自社サービスの料金内であれば、
積極的に提案することができます。
逆に予算が不明確であれば、予算を確保していただくように
サービスの価値や費用感を初回商談時に刷り込んでおく必要があります。
Authority:決裁権 が明確な場合
事前のヒアリング段階で担当者が決裁者であれば、
すぐにクロージングできる可能性が高いでしょう。
上司に同行してもらうなど商談の優先度をつけることができます。
逆に決裁権が不明確な場合は、初回商談時に担当者の業務領域の
ヒアリングから進めなければなりません。
Needs:必要性 が明確な場合
決裁権と同様に、見込み客が自社サービスが課題解決につながると
感じている場合は、上司に同行してもらい、提案を優位に進めましょう。
逆に必要性を感じておらず、ただの情報収集の場合は
まずはweb会議でヒアリングや自社紹介をしても良いかもしれません。
Timeframe:導入時期 が明確な場合
導入時期が決まっているならば、導入までにすべきことを
初回の訪問段階からすり合わせることができるようになります。
逆に導入時期が不明確な場合は、初回商談時にスケジュールも
積極的に提案しておかないと案件を前に進めることは難しいでしょう。
もちろんそれぞれの企業によって上記以外にも商談前に
聞いておいた方が良い項目があるかと思います。
例えば
人材サービス会社であればポジションと必要な経験
IT機器を扱う企業であれば既存サーバのスペック
このような場合はBANT情報と合わせてルール設定をしてみて下さい。
そしてBANT情報をヒアリングする役割を担うのがインサイドセールスなのです。
インサイドセールスは問い合わせや、展示会での名刺交換で獲得した
見込み客(リード)に対して最初にアプローチすることが多いです。
インサイドセールスの役割
インサイドセールスの役割やメリットを整理してみましょう。
■役割
インサイドセールスは見込み客を育成し、温まった状態で営業に渡すという
マーケティング支援と営業支援の役割を担っております。
■導入のメリット
・営業の効率化
インサイドセールスの体制を構築し、運用ルールを整備することで
営業は受注確度の高い状態で商談に臨むことができます。
またインサイドセールスによって営業を分業化することで
フィールドセールス(外勤営業)の業務を効率化でき、
通常だと一日に3件の訪問が10件以上アプローチできます。
・売上の向上
営業活動の効率化により、提案できる案件数が増え、
会社全体の売上拡大につなげることができます。
このようにインサイドセールスを整備することで様々なメリットがありますが、
最初のアプローチ段階でヒアリング内容が曖昧だと様々な問題が生じます。
インサイドセールスの役割
しかし、運用ルールが曖昧であると以下のような
問題が生じるのではないでしょうか?
<例>運用ルールが曖昧で生じる問題
インサイドセールス
「○○株式会社のAさんに来週の火曜の10時にアポイントを取りました。」
営業
「どんなお客さんですか?」
インサイドセールス
「IT企業で主にシステム構築を行っている会社で弊社のサービスに興味を持っています。」
営業
「予算とか導入時期について聞いてますか?そもそも決裁権ある方?」
インサイドセールス
「直近で導入したいとしか聞いておりません。申し訳ございません。。。」
せっかく見込み客と関係構築をし、商談化したのに情報が少なければ
質の高い商談を行うことは難しく、受注につながらないかもしれません。
逆にBANT情報を聞けている場合はどうでしょうか?
Budget(予算):300万円
Authority(決裁権):有(代表取締役社長)
Needs(必要性):有(過去に他社の○○を導入してたがサポート品質が悪く来月解約の予定)
Timeframe(導入時期):来月
どうでしょうか?
BANT情報を明確にすることで案件の温度感がわかりやすくなります。
上記の場合、かなりホットな案件なのではないしょうか。
このようにインサイドセールスから営業へパスする際に
有効な情報を伝えることで受注率も変わってきます。
BANT情報も含めたインサイドセールス用の営業マニュアルや営業ツールを
用意しておくとナレッジ共有も容易になるでしょう。
まとめ
以上のようにインサイドセールスは商談を発生させ、
アポイントを獲得して営業へパスことが必要です。
しかしパスする際に情報が少なければ、
最終目標である受注につなげることが難しくなります。
電話で緊張することはあると思いますが
最低限BANT情報を頭に入れて対応をしてみて下さい。
Budget:予算(予算はどのくらいか?)
Authority:決裁権(会う人は決定権を持っているのか?)
Needs:必要性(企業が導入の必要性を感じているのか?)
Timeframe:導入時期(導入・購入する時期は?)
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