働き方改革に営業モチベーション改革も導入する|営業マネジメントの参考に②

 

多くの企業が「働き方改革」に取り組み、
業務の効率化を上げ労働生産性の向上を
目指していると思います。

しかし、業務効率を上げるだけで良いのでしょうか?
例えば今までの定型業務を減らしていくとその業務に従事していた人は

「おれの仕事はもう無駄なのか。自分の価値って何だろう?」

と思い悩む方も出てくるかもしれません。

或るいは日々の営業活動がうまくいかずに

「もう無理だ。続けられる自信がない。」

と悩む方もいるでしょう。

近年、AIの台頭により営業に従事する方は
将来を危惧しているかもしれません。

そこで今回は日々の業務に活かせそうな
モチベーションに関する研究や理論を紹介します。

営業マネージャーのみなさんは必見です。

 

人材育成に使える動機づけの研究

今回は日々の人材育成に関する研究を紹介いたします。
(「モチベーション大百科 サンクチュアリ出版」を参考にしています)

人材育成に関して以下の2点をお伝えします。
・叱り方と褒め方
(仕事で失敗したBさんに対して)
「どうしてそんなこともできないんだ!」
などと人格を否定したら更にパフォーマンスが落ちるかもしれません。
どんな叱り方や褒め方をすればよいでしょう。

・仕事のずっと先を想像させる
「今自分は何のために仕事をしているのだろう。」
漠然とした悩みは日々出てくると思います。
そんな時にどんなふうに自分を展開していくのでしょう。

 

 

1.叱り方と褒め方

「どうしてそんなこともできないんだ!」
「お前はどうしてそんなに仕事が遅いんだ」

と本人の人格を叱るよりも、

「その仕事の進め方は少しまずかったね。」
「次はもっとこうしてみよう」
と言われた方が行動をスムーズに修正できるのではないでしょうか。

実は人には意識の階層があって、それぞれ与える影響が異なります。
影響が非常に強い:存在(自分自身)
影響が強い:価値観(大切にしていること)
影響が弱い:行動(行ったこと)
影響が非常に弱い:環境(人、場所、道具など)

ということで叱る際に人格に関する指摘をした場合は
本人に大きな影響(ショック)を与えます。

逆に褒める際は価値観など存在に結びつけることで
モチベーションの向上に大きくつながるでしょう。

実際の実験結果はこちらです。

 

心理学者 ジョアン・グルーセックの実験

子供たちにお願いして、友達にビー玉を分け合うようにして遊ばせた。

Aチームの子供たちには、
「きみは良いことをした。人の役に立つことができたね。素晴らしいね」
と行動を褒めた。

Bチームの子供たちには、
「きみは他の人を助けたいと思っているんだね。本当にやさしくて、人の役に立てる子だね」
と人柄を褒めた。

2週間後、人柄を褒められた子供のうち、
Aチーム(行動を褒めた)の10%が
Bチーム(人柄を褒めた)の45%が
入院している子供を元気づけるために図工の材料を寄付した

つまり、
人柄を褒めると、道徳的なおこないを増やしてくれる、
ということです。

 

 

2.仕事のずっと先を想像させる

「今自分は何のために仕事をしているのだろう。」
仕事に慣れ、日々同じ仕事の繰り返し、かなり多忙、
という状況ではモチベーションがかなり下がってしまいますね。

そんな時に使えるのが「社会貢献」という視点です。
自分の仕事が社会にどのような形で貢献しているのかを
考えると少しだけ楽になるでしょう。

実際の実験結果が以下です。

 

デイヴィッド・イェーガーとデイヴ・パウネスクの実験

高校生に2つの質問をします。
■質問1
「どうしたら世の中はもっと良くなると思うか?」

■質問2
「いま学校で習っていることの中で、そのために役立ちそうなことはあるのか?」

その後、
質問2を受けた生徒は、そうじゃない生徒と比べて
試験勉強の時間が2倍に増えた。

またこれから
「エンタメ画像を観る」か
「数学の問題を解く」か
2つの選択肢を与えると、
「数学の問題を解く」
を選んだ生徒の方が多かった。

つまり、
今自分が取り組んでいる仕事が社会にどんな風に役立つかを考えると、
モチベーションが上がる、ということです。

 

まとめ

以上のように、働き方改革を進めることも大事ですが
様々な新しい試みに対して、モチベーションを維持して
臨むことが重要になってきます。

今回は人材育成に関して2つのポイントを紹介しました。

1.叱り方と褒め方
メンバーを叱る際は「行動」を、褒める際は「人格」を
それぞれ意識してみてください。

2.仕事のずっと先を想像させる
モチベーションの下がった部下に対しては
「現在の仕事が社会にどのように役立っているのか」を
伝えることでモチベーションも改善していくでしょう。

上記2つ以外にも意思決定や自己管理にも応用できる事例が
あるのでまた別な機会にご紹介したいと思います。

是非「目に見える」制度やシステムだけでなく
「目に見えない」モチベーションにも目を向けて改革を進めてください。

 

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