ビジネス上の購買活動においてオンラインでの情報収集が主流になっています。
SEO、web広告、ウェビナーなどの手法に多くの企業が着手しております。
見込み客と接触して初回商談に至るまでに、
「購買活動の60%近くを終えています」というデータもあります。
つまり初回商談までにはほぼ決着がついてしまっていることも増えています。
そこで注目されている概念がバイヤーイネーブルメントです。
バイヤーイネーブルメントとは?
バイヤーイネーブルメント(Buyer Enablement)は
アメリカの調査会社Gartner社の2018年10月レポートで発表された概念です。
バイヤーイネーブルメントは、
「インターネットを駆使して購買活動を進めていく購買担当者に、
役立つ情報を提供する。結果的に自社の商品を選んでもらう」
という考え方です。
つまり購買担当者に営業がプッシュしなくても
自然に買ってもらえるような仕組み作りです。
リテンションマーケティングのメリット
リテンションマーケティングにはいくつかのメリットがあります。
まずは先述したように、新規開拓と比べて効率よく売上を得ることができます。
また既存顧客のLTVの向上も期待できます。
顧客顧客への契約更新やアップセルが成功することで1顧客の
LTV(顧客生涯価値)も上がるでしょう。
さらに、休眠顧客の掘り起こしができるというメリットもあります。
契約中だけでなく、過去に解約した顧客を狙ったマーケティング施策で
再度契約につながったり、解約直前の顧客への興味喚起にもなるでしょう。
ということで
・新規顧客開拓よりも費用対効果の良い
・LTVの向上
・休眠顧客の掘り起こし
のメリットがあります。
バイヤーイネーブルメントが必要になった背景
調査会社であるForrester社が発表した「購買行動のシフトチェンジ」の調査によると、
・68%のB2B購買担当者が、自分一人でオンラインで情報収集することを望んでいる
・67%のB2B購買担当者が、第一の情報源として営業担当者とのコミュニケーションを選ばない
というデータが出ています。
つまり営業からのアプローチではなく、
自分でできる限り情報を集めて検討を進める購買担当者が増えています。
このような流れもあってバイヤーイネーブルメントは今後ますます脚光を浴びるでしょう。
セールスイネーブルメントとの違いは?
似たような概念に「セールスイネーブルメント」があります。
セールスイネーブルメントは
「組織としての営業力を改善し続ける仕組み全体」のことです。
具体的には
「営業活動の改善に必要な要素」を統合して考えようという概念で、研修やシステム化、コーチングといった個別の施策について
バラバラに取り組むのではなく、それらをトータルで見ることで効率化・最適化を図ろうというものです。
スリーシーズのセールスイネーブルメント支援はこちら
http://www.salestool.jp/salesenablement/index.html
セールスイネーブルメントが営業組織を主体に、仕組み作りと各施策を進めていくのに対して
バイヤーイネーブルメントは購買者(見込み客)を主体に見ています。
つまり営業からのアプローチではなく購買者が自然と購買(サービスの契約)に
近づくような仕組みを作っていくことです。
購買に近づくように支援するにはどのようなアプローチが必要になるでしょうか?
バイヤーイネーブルメントを促進するコンテンツ例
Gartner社のレポート(A Guide to Buyer Enablement)では、
バイヤーイネーブルメントにおいては
下記のようなコンテンツや情報を提供することが重要としています。
・分析機能:顧客にデータ分析機能を提供する
例:自社の状況が分かるような指標の提供
・助言機能:それぞれの購買活動に対して顧客をコーチングする
例:無料相談会
・診断機能:現状のパフォーマンスを評価、または顧客に必要な施策を特定する
例:無料診断
・比較機能:顧客には入手困難な情報を使って他社と比較する
コンテンツ例:外部評価資料、第三者のレビュー
・共有機能:顧客社内のステークホルダーと共有できる土台を提供する
コンテンツ例:稟議資料テンプレート
・実験機能:解決策が顧客の環境でどのように機能するかを模擬実験する
コンテンツ例:無料トライアル
・案内機能:顧客の入力内容に応じた具体的な購買タスクの選択肢を提供する
コンテンツ例:チュートリアル機能、活用ガイドライン
まとめ
今回はバイヤーイネーブルメントを解説してきました。
■バイヤーイネーブルメントとは?
購買担当者が自然に買ってもらえるような仕組み作り
■バイヤーイネーブルメント普及の背景
・68%のB2B購買担当者が、自分一人でオンラインで情報収集することを望んでいる
・67%のB2B購買担当者が、第一の情報源として営業担当者とのコミュニケーションを選ばない
■セールスイネーブルメントとの違い
セールスイネーブルメント:営業組織を主体に改善し続ける仕組み作り
バイヤーイネーブルメント:購買者(見込み客)を主体に購買者が自然と購買(サービスの契約)に
近づくような仕組みを作っていくこと
■バイヤーイネーブルメントのコンテンツの考え方
・分析機能:顧客にデータ分析機能を提供する
・助言機能:それぞれの購買活動に対して顧客をコーチングする
・診断機能:現状のパフォーマンスを評価、または顧客に必要な施策を特定する
・比較機能:顧客には入手困難な情報を使って他社と比較する
・共有機能:顧客社内のステークホルダーと共有できる土台を提供する
・実験機能:解決策が顧客の環境でどのように機能するかを模擬実験する
・案内機能:顧客の入力内容に応じた具体的な購買タスクの選択肢を提供する
顧客目線で自然と購買につながるようなコンテンツを考えてみてください。