アウトバウンドコール(テレアポ)が無くならない理由と成功への3つのポイント

アウトバウンドコール(テレアポ)が無くならない理由と成功への3つのポイント

オンラインでの営業活動にシフトする中
オンライン商談やMAを活用したメールマーケティングが促進されています。

また、購買担当者側でも営業に接触するまでに
購買活動の57%を終えている」とされています。

しかし、一方でオフラインでの営業活動の代名詞である
「テレアポ」のようなアウトバウンドコールは無くなりません。

どうして無くならないのでしょうか?

今回はアウトバウンドコールについて問題点や運用のポイントを解説していきます。

購買活動のオンライン化とミレニアル世代

本題に入る前にまずは環境の変化を整理していきます。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響でビジネス環境が大きく変わりました。

with(ウィズ)コロナで変わったこと
・大規模イベントの中止
・担当者のオフィス不在
・IT投資の鈍化

with(ウィズ)コロナの営業活動
集客:ウェビナーの実施、メールマーケティング、フォームマーケティング
アポ獲得:携帯電話/SNSでのアプローチ、メールでアポ取得まで完結
営業活動:web商談メイン

さらに購買担当者の傾向も変わってきました。

ミレニアル世代をご存知でしょうか?
今後の購買の中心になってくる世代です。

「ミレニアル世代」とは、1980年代から2000年代初頭の間に生まれた世代を指します。
2020年で20代~40代前半の世代です。

デジタルネイティブとも呼ばれるこの世代はデバイスに囲まれるのが普通であり、
オンライン上のサービスを使うことを「当たり前」として育ってきました。

そのため、インターネットに接続する時間が、他の世代と比べると約30%多い傾向が見られます。
(参考:「小売業界におけるデジタルの影」変化する購買体験への期待値の変化)

参考記事:
ミレニアル世代とは?見込み客の半数以上!?

また、購買の検討・決定の段階で「実際に営業担当者と顔を合わせたい」と考えている
購買担当者の割合は、わずか12%。

購買に関する情報収集や意思決定は自分ひとりで行いたい、
営業担当者とは必要なときに電話やチャットで連絡が取れればそれで十分だと考えている
回答者が71%以上だという統計データもあります。
((Uncovering the Shifting Landscape inB2B Commerce|ACQUITY GROUP))

こんな環境ならアウトバウンドコールはますます控えないといけませんよね。
しかし、無くなりません。むしろ最近は以前よりも力を入れている会社も多いようです。

アウトバウンドコールが無くならない理由(頼らざるを得ない理由)

それでは、アウトバウンドコールにも頼らざるを得ない理由を整理していきます。

・見込み客のリスト(ハウスリード)がない
少ない取引先から長年発注を受けていた企業(ルート営業など)は
もともと新規開拓をしていなかったため
見込み客のリストが手元に少ないでしょう。

・オンラインマーケティングのノウハウがない
既存の取引先に頼っていた企業はもちろんのこと
見込み客の獲得を展示会などのオフラインマーケティングにばかり
頼っていた企業ではオンラインマーケティングのノウハウが乏しいでしょう。

すぐにオンラインマーケティングを行いたくとも外注するしかなく、
(コンテンツ制作、MAの操作、web広告の運用などスキルが求められます。)
社内リソースや予算の問題もあり、アウトバウンドコールに着手するでしょう。

・オンラインマーケティングに限界がきている
多くの企業がオンラインマーケティングに力を入れているため
競争に負けてしまったり、オンラインでリーチできる見込み客の層に
限界がきたと感じている企業もいるのでないでしょうか?

オンラインマーケティングのリードの量や質に限界を感じた場合は
アウトバウンドコールにも注力していくでしょう。
(まだリード獲得の余地が残されているのでネガティブな状態ではないと思います。)

アウトバウンドコールのメリット(と思われていること)もあります。
・すぐに始められる
リストと電話と人的リソースがあればすぐに始められます。

・特別なスキルが必要ない(と思われている)
オンラインマーケティングのような特別なスキルは必要ありません
(実は傾聴力、仮説構築力、とっさの対応力は求められます。)

・短期で結果が出る可能性がある(と思われている)
当たりを引けば高額受注ができる
(ターゲットの選定が間違っていると絶対に受注できないでしょう)

アウトバウンドコールではそう簡単に結果が出ません。
ということで成功の秘訣を紹介していきます。

アウトバウンドコール成功への3つのポイント

成功へは大きく3つのポイントがあります。

1.自社にあったリストの作成
売上が高く、近年成長している企業のリストを手に入れれば
なんとなくうまくいく気がしますがそんなことはありません。

受注傾向を分析して自社と一番相性の良い会社に絞ったリストを作りましょう。
例:製造業、従業員500~1000名以上、営業人員○○名以上、○○ツールを活用している

SFA/CRMの活用がおすすめです。
参考記事:
セールスイネーブルメントの取り組みを加速するSFA/CRM活用方法

2.KPIを細かに設定する
目標を「受注3件、売上1000万以上」だけでなく
受注に至るまでの活動に対して細かく目標値を設けましょう。

例:
リストの数:1000社
1日のコール数:50
アポ獲得数:10(アポ取得率1%)
受注数:3件(受注率30%)
売上:1000万

このように細かく設定することで他の施策との比較ができ、
継続するかの判断も容易になるでしょう。

3.PDCAを高速に回す
はじめと終わりの日程だけを決めて一斉にスタートするのではなく
随時振り返りの機会を持つことが非常に重要です。

例えば、毎日振り返りのミーティングを設けて以下を行います。
・行動量の共有
・うまくいった/いかなかった点の共有(架電の前の準備、時間帯など)
・トークスクリプトの改善(カウンタートークなど)

活動量のモニタリングだけでなく、トーク内容や業務の進め方も
日々振り返ることで個人のスキルアップにもつながり数字に結びいていくでしょう。

更に最終的に営業マニュアルとして残すことで営業資産として蓄積されていきます。

参考記事:
営業マニュアル制作の5つのポイント|業務の仕組化と定期改善のために

まとめ

今回はアウトバウンドコール(テレアポ)が無くならない理由や
成功へのポイントを紹介しました。

コロナ禍では新規開拓が一般的には難しくなると言われていますが
新規開拓に頼らなければならない企業も一定数いるでしょう。

自社に最適なリストを作成/購買して
適切なオペレーションで進めることが重要です。

■アウトバウンドコールが無くらない理由(頼らざるを得ない理由)
1.見込み客のリスト(ハウスリード)がない
2.オンラインマーケティングのノウハウがない
3.オンラインマーケティングに限界がきている

■アウトバウンドコール成功への3つのポイント
1.自社にあったリストの作成
受注傾向を分析して自社と一番相性の良い会社に絞ったリストを作りましょう

2.KPIを細かに設定する
(例)
1日のコール数:50
アポ獲得数:10(アポ取得率1%)
受注数:3件(受注率30%)
売上:1000万

3.PDCAを高速に回す
(例)
毎日振り返りミーティングの実施
・行動量の共有
・うまくいった/いかなかった点の共有(架電の前の準備、時間帯など)
・トークスクリプトの改善(カウンタートークなど)

これからアウトバウンドコールに挑戦しようと思っている方はぜひ参考にしてください。