ソーシャルセリング|営業活動におけるSNS活用の浸透

ソーシャルセリング|営業活動におけるSNS活用の浸透

近年TwittterやFBなどビジネスにおいても
SNS活用が広がっております。

プライベートでの活用のイメージが多い
SNSですが営業活動やマーケティングにおいても活用が進んでいます。

今回はSNSを活用した営業手法である
「ソーシャルセリング」について紹介したいと思います。

ソーシャルセリングとは

ソーシャルセリングとは…

SNS(ソーシャルネットワーク)上で見込み客を探し出して、
信頼や関係性を築き、購買の後押しをする営業活動のことです。

ソーシャルセリングは、ソーシャルネットワークを介して実行され、
営業担当者または企業がターゲット層との関係を構築し、
インサイトを共有する価値の高いコンテンツを提供することに重点を置いています。

日本ではまだ浸透はしていませんが、
アメリカではソーシャルセリングを活用した営業活動が基本となっています。

日本と違いアメリカは国土が広いという点もあると思いますが、
アメリカのビジネスパーソンはソーシャルメディアの活用方法について研修を受けており、
ソーシャルセリングで成果を出している営業パーソンも多いようです。

LinkedInの営業セールス業界に関するレポート「State of Sales in 2016」によると、
米国では営業人材の6割がFacebook、Twitter、LinkedInなどユーザーをターゲットにした
「Social selling(ソーシャルセリング)」の手法を導入しており、
その傾向は、トップセールス人材になるほど高くなることが報告されている。

IBMが行った調査でも、法人向けハードウエアやソフトウエア製品の購買担当者の中で3分の1が、ソーシャルメディアで新製品や新技術に関する情報収集や専門知識を学んでいる
さらに、購買担当者が40歳未満の場合には、その傾向が強くなることが判明している。

Harvard Business Reviewの「How B2B Sales Can Benefit from Social Selling」によると
B2Bの購買担当者の意思決定において、
最終決定時にソーシャルメディアを活用した人が半数以上、
発注先の選定でソーシャルコンテンツの影響を受けた人はなんと82%です。

SNS活用の例

様々なSNSがありますが、いくつか紹介します。

テキスト型:Facebook、Twitter
コンテンツ型:note、Wantedly
資料型:SlideShare
音声型:Voicy、stand.fm

上記のようなSNSを活用し、
ザイアンスの法則(単純接触効果:会えば会うほどその人への関心が高まっていくという法則)を狙って、定期的に自分のことを発信しつつ、プライベート含めて自己開示をしていくことが大切です。

例えば過去に名刺交換をした担当者をSNSで検索し、
対象者の投稿にアクションをしたり関わりが薄いような人であれば、
メッセンジャーなどで挨拶をするなどの方法があります。

普段のメールでは反応がない場合でもSNSではすぐに返信をいただき、
営業活動がスムーズに進むこともあります。

このように、小さなことをコツコツと積み上げていき相手との信頼関係を築いていくのが
ソーシャルセリングの基本的な手法です。

SNS発信の4つの例
1.自分の考え方や価値観(セルフブランディングにつながります)
2.活動報告(自社の取り組みの共有など)
3.他人の役に立つこと(ナレッジの共有など)
4.プライベート(意外な一面を見せると更に好感が得られたりします)

ソーシャルセリングで獲得した見込客へのアプローチ

発信を続けることで認知度やエンゲージメントは
高まりますが、一歩進んで商談に進めるには個別のアプローチも必要になります。

通常のマーケティング活動で獲得した見込客と同様に
ランク分けしてメッセージを送ると良いでしょう。

(例)
挨拶のみ
商談有
失注
送信NG

面識がなく、SNSでつながりがあるだけの場合は
通常の発信だけで良いかもしれません。

しかし既に商談済みの場合はサービスのアップデートやセミナーの案内など
通常のマーケティング活動と同様にメールでの案内しても良いでしょう。

代表取締役の場合は一斉送信のメールではなく、
年末年始のご挨拶など個別にカスタマイズしたメッセージを
お送りするのが良いでしょう。

ソーシャルセリングの注意点と今後

しかしソーシャルセリングは即効性はなく、新規開拓には向いていません。
あくまで関係性の強化を行っていくための営業手法になります。

継続的な情報発信が大切です。
また、つながった方に「いいね!」や「リツイート」をするなど
基本的なリアクションでつながりを持ち続けることも忘れてはいけません。

ソーシャルセリングの普及の背景と今後について紹介していきます。

コロナ禍において多くの企業では新規開拓の難易度が上がりました。
ということで
・既存客のLTVを上げる
・紹介、口コミを推進する
・オンライン施策で新たに顧客獲得をする

などの観点で施策を進めている方が多いでしょう。

さらに
・SNSの普及と、口コミへの信頼度の向上
・個人の発信の影響力が高まる
・セルフブランディングの流行(広告の中心が企業広告からヒトに移行)

のような背景もあるため施策との親和性の観点からも
今後、ソーシャルセリングは更に普及していくでしょう。

まとめ

今回はソーシャルセリングについて紹介してきました。

■ソーシャルセリングとは?
SNS(ソーシャルネットワーク)上で見込み客を探し出して、
信頼や関係性を築き、購買の後押しをする営業活動のこと

■SNSの例
テキスト型:Facebook、Twitter
コンテンツ型:note、Wantedly
資料型:SlideShare
音声型:Voicy、stand.fm

■ソーシャルセリングで獲得した見込客へのアプローチ
ランク分けしてメッセージを変える

■ソーシャルセリングのメリット
・紹介を増やす
・元々つながりのあった見込客との接触を増やす
・顧客のエンゲージメントの向上

これからは営業も会社の一員としてではなく「個」としての
発信をすることで差別化され、成果にも影響があるでしょう。

まずはSNSで情報収集をしながら自分の気付きを発信していくことが
ソーシャルセリングの第一歩となるでしょう。