2019年の振り返りと2020年の営業トレンド

2019年の振り返りと2020年の営業トレンド

2019年はいかがでしたでしょうか?
本コラムでも昨年の初めに2018年の営業トレンドの振返りをしました。
今年も2019年の振返りと2020年のトレンド予測をしていきたいと思います。

2018年の振り返り

ちなみに2018年は以下のような内容でした。

【1】インサイドセールスの本格化
一部の企業に導入されていたインサイドセールですが
SaaS事業社を中心に導入が進みました。

【2】カスタマーサクセスの組織化
サブスクリプションビジネスの浸透もあり、
LTV最大化のためにカスタマーサポートから
カスタマーサクセスを組織化する企業が徐々に増えました。

【3】AIを使った営業活動
セールスフォースのEinstein(アインシュタイン)が
話題になっていたと思います。
(実際に有効に使われていたかは別にして)

更に詳しい内容はコラム「2018年の営業トレンドの振り返り」を参考に

それでは2019年はどのようなトレンドであったでしょうか?

2019年の振り返り

【1】The Modelの浸透
本コラムでも何度か紹介してきましたが営業組織の分業化のモデルである
セールスフォース社で有名な「The Model」が浸透した気がします。
同タイトルの書籍が出版されたこともあり、様々なメディアでも取り上げられました。

具体的には
マーケティング
→インサイドセール
→フィールドセールス
→カスタマーサクセス

のようにチームを分け、それぞれがチームの目標値を追うことで全体最適を実現します。

例えば、
インサイドセールはコール数・アポ取得件数、
フィールドセールスは受注件数・売上、
カスタマーサクセスはアップセル金額・解約率(チャーンレート)、
を目標値に置いて活動をします。

特長としてはそれぞれのチームの目標値が次のチームのプロセスに影響し、
リレーのようにつないでいく点です。

従来であれば営業が一人で行っていた業務を分業化することで
効率的にビジネスを進めていくこのような体制が普及しました。

【2】SFA/CRMの浸透
上記のTHE MODELの浸透によりそれぞれのチーム間での
データ共有がより重要性を持つようになりました。

例えばマーケティングが獲得した問い合わせ数に対して

・どこからの流入が一番多かったのか?
・何件アポが取得できたのか?
・何件受注につながったのか?

またはインサイドセールからフィールドセールスに案件を渡す際に

・決裁者なのか?
・予算は?
・課題感は?

などの情報を分析したり、ルール化する必要があります。

ここで活躍するのがSFA/CRM。
顧客情報、案件情報、活動情報をデータベース化するだけではなく、
レポートも自動で作成されるので、売上情報や各フェーズの移行率も
確認することができるようになります。

分業化すると自分のチームのKPIだけを追い、最終的に売上につながらない、
ということも起こってしまいます。

SFA/CRMを導入することで情報共有や効果測定が可能になり、
組織のPDCAサイクルの高速化につながります。

データドリブン営業の浸透と言ってもよいかもしれません。

【3】セールスイネーブルメントの開始
2019年から大きく取り上げられるようになったセールスイネーブルメント。
「営業活動を改善し、最適化するための概念や取り組み」といわれています。

売上など営業に関する数値を組織全体でどれだけ改善するのかを決めて、
営業力強化の取り組みに落とし込んで数値を使って一元管理していきます。

そして営業研修、OJTなど担当する部署がバラバラであったトレーニングを
一貫して管理し、売上向上までの効果を数値化します。

例えば、
・営業コンテンツ:商談資料、アプローチブック
・営業トレーニング:ロープレ
・営業コーチング:案件・行動レビュー

を体系的、標準化して進めることで全体の底上げにつなげていきます。
ここでもSFA/CRMを活用することで計測や日々のマネジメントが容易になります。

まとめ

今回は2019年の営業トレンドについて振り返ってきました。

【1】The Modelの浸透
:インサイドセール、カスタマーサクセスの整備を中心とした営業組織の分業化

【2】SFA/CRMの浸透(データドリブン営業の浸透))
:分業化した組織の中での情報共有や効果測定のためのツール活用

【3】セールスイネーブルメントの開始
:営業研修、OJTなど担当する部署がバラバラであったトレーニングを一貫して管理
:売上向上までの効果を数値化

2020年は営業にどのような変化があるでしょうか?
自社の営業企画の参考になれば幸いです。