「MEDDIC」とは?BANTだけじゃない最新の営業フレーワーム

BANTだけじゃない?|最新の営業フレーワームとは

営業組織の中にインサイドセールス部隊を構築して
アポ取得までをインサイドセールスが行い、
その後のクロージングをフィールドセールスが行う、
という流れが近年主流になってきています。

その中でどうしても本来はターゲットではない見込客を
インサイドセールスがフィールドセールスにパスしてしまう
こともあるでしょう。

この問題が発生しないためにも見極めのルールを
決めて運用している企業も多いと思います。

どんな項目を使っているでしょうか?
そんな時にお役に立ちそうなフレームワークを今回紹介していきます。

タイトルにあるようにBANT以外もお伝えしていきます。

インサイドセールスとフィールドセールスの連携

問い合わせは多ければ多いほど良いと感じる営業関係者も多いと思いますが
多すぎるのもよくありません。量よりも質を意識していきましょう。

というのも一人が持てる案件数には限りがあります。
商材にもよりますが20~30件が限界でしょう。

それ以上多くなると持っている案件をフォローできなくなり、
受注率も下がっていくでしょう。

更に、その中で見込みが低い案件も何件も持っていたらどうでしょうか?
体力的にもモチベーション的にも困難な状態になりますよね。

こういった状態にならないためにも勇気を持って見込客をジャッジすることが重要です。
見込みの高い案件を一つ一つ大事に対応して受注につなげていきましょう。

この方が営業効率も上がり企業全体としても圧倒的に良い状態です。

MEDDICとは?

MEDDICをご存知でしょうか?

MEDDICとは、Jack Napoli氏が考案した手法で、

・Metrics(測定指標)

・Economic Buyer(決裁権者)

・Decision Criteria(意思決定基準)

・Decision Process(意思決定プロセス)

・Identify Pain(抱えている課題)

・Champion(自社サービスの擁護者)

の頭文字をとっています。

Economic Buyer(決裁権者)、Champion(自社サービスの擁護者)など
購買関係者について二つの指標があります。

他はBANTに近しい指標が多いですが、このフレームワークは
比較的金額が大きい案件やエンタープライズのような購買プロセスが複雑な企業への
アプローチに向いています。

というのもMEDDICは案件を進める際の仮説構築に非常に力を発揮します。

例えば、
Identify Pain(抱えている課題)に加えてMetrics(測定指標)を聞くことで
提案の方向性についてフィールドセールスは仮説を立てやすいでしょう。

売上を◯%アップさせたいという具体的な指標が既にある場合は、
同業界で売上が急成長した例を初回商談で持っていくことができます。

更に、Decision Criteria(意思決定基準)をインサイドセールス段階で
聞けていると初回商談で自社がどれくらいクリアしているのか、
期待値調整や温度感を上げることも可能になります。

購買プロセスのすべての側面を理解することで中長期的なセールスストリーが組み立てやすくなります。
平均リードタイムが長い場合や標準化できない商材の場合に力を発揮するでしょう。

BANTと同様に基準を設けることで営業の効率化や受注率の向上につながるでしょう。

BANTとは?

おそらくこの手のフレームワークで一番有名なBANTを紹介します。

Budget:予算(予算はどのくらいか?)

Authority:決裁権(会う人は決定権を持っているのか?)

Needs:必要性(企業が導入の必要性を感じているのか?)

Timeframe:導入時期(導入・購入する時期は?)

上記の頭文字をとってBANT情報と呼ばれています。
BANT情報の基準を設けておくとインサイドセールスから
フィールドセールスの連携も効率的になるでしょう。

例えば、
Timeframe(導入時期)の基準が決まっているならば基準に
合致しない問い合わせはインサイドセールスがそのまま担当して
導入予定にある程度近づいてからフィールドセールスにパスします。

または条件の掛け合わせで、
Authority(決裁権)は社長だが一般社員が問い合わせをしてきたとします。
そして、Needs(必要性)を感じておらずただの情報収集の場合も
無理にアポを取る必要はないでしょう。

この条件も問い合わせ数の増減によって調整すると良いでしょう。

例えば問い合わせが少ない場合は、条件を緩めてフィールドセールスが
直接アプローチして案件化につなげることをします。

また、逆に問い合わせが多すぎる場合は条件を厳しくしたり、
パスの優先度をつけるなどをすると良いでしょう。
この時、BANTの他に受注率の高いチャネル(問い合わせの流入元)も
考慮すると効率は上がるでしょう。

インサイドセールス用の営業マニュアルや営業ツールを用意し定期的に見直しましょう。

その他のフレームワーク

■GPCTBA/C&I
HubSpotが考案したフレームワークです。

Goals:目標(見込み客の数値的な目標)
Plans:計画(目標達成のための計画)
Challenges:課題(計画実施のための課題)
Timeline:期限(計画の実施時期)
Budget:予算(課題解決のために必要な予算)
Authority:決裁権(意思決定者や意思決定のために必要な要素)
Negative Consequences:否定的結果(目標を達成できなかった場合に起こり得ること)
Positive Implications:肯定的結果(目標を達成できた場合に起こり得ること)

の頭文字をとっています。

質問の例を紹介していきます。

Goals(目標)
現段階の最優先事項は何ですか?
会社としての具体的な目標はありますか?
今四半期/今年の売上目標として公表している数字はありますか?

Plans(計画)
目標達成のために実施を計画していることがありますか?
昨年何をしましたか?うまくいったことと、そうでないことは何ですか?今年は何を変えますか?

Challenges(課題)
この課題の排除をこれまで試してきて、現在も取り組んでいるのに、今度は排除できると考えているのはなぜですか?
社内のノウハウやリソースでこうした課題に対処できるとお考えですか?

Timeline(期限)
この計画はいつから遂行しますか?
この計画を遂行する余裕とリソースが現時点でありますか?

Budget(予算)
[製品またはサービス]で得られそうなROIについては、私どもの見解と一致していますか?
今回話し合った問題を解決する目的で、他社の製品に費用を投じていますか?

Authority(決裁権)
先方の担当者が決裁権限者でないようなら、次のように尋ねましょう。
ここまでに話し合った目標は決裁権限者にとって重要ですか?
決裁権限者の優先事項の中で、これはどこに位置しますか?
決裁権限者はどのような懸念を示すと予想しますか?
決裁権限者にどのように関与していただくのがよいですか?

Negative Consequences(否定的結果)とPositive Implications(肯定的結果)
目標を達成した場合と達成しなかった場合に、それぞれどうなりますか?その結果はあなた自身に個人レベルで影響しますか?
この課題を克服したら、次に何をしますか?
(「営業見極めを正しく行うには|MEDDIC、BANTの活用」より一部品用)

まとめ

定着が進んだインサイドセールス。フィールドセールスとの連携に悩む企業も多いでしょう。
連携の参考になるフレームワークを2つ紹介してきました。

・MEDDIC
Metrics(測定指標)

Economic Buyer(決裁権者)

Decision Criteria(意思決定基準)

Decision Process(意思決定プロセス)

Identify Pain(抱えている課題)

Champion(自社サービスの擁護者)

・BANT
Budget:予算(予算はどのくらいか?)

Authority:決裁権(会う人は決定権を持っているのか?)

Needs:必要性(企業が導入の必要性を感じているのか?)

Timeframe:導入時期(導入・購入する時期は?)

・GPCTBA/C&I

Goals:目標(見込み客の数値的な目標)

Plans:計画(目標達成のための計画)

Challenges:課題(計画実施のための課題)

Timeline:期限(計画の実施時期)

Budget:予算(課題解決のために必要な予算)

Authority:決裁権(意思決定者や意思決定のために必要な要素)

Negative Consequences:否定的結果(目標を達成できなかった場合に起こり得ること)

Positive Implications:肯定的結果(目標を達成できた場合に起こり得ること)

このように見込客の見極めにはBANTだけでなくMEDDICも有効です。
自社の商材特性やターゲットを整理して適切な基準を設けましょう。

インサイドセールスとフィールドセールスの連携に不安をお持ちの方は是非参考に!