営業で使える心理学とは?

営業心理学

営業職のみなさんは普段、新規の見込客に対してどのような
コミュニケーションを意識しているでしょうか?

相手の反応によって様々な対応をしていると思います。

口数が少ない商談相手には様々な質問を投げかける、など。
逆にかなり話す相手には端的に説明する、など。

では、どのような場合にどのようなコミュニケーションが適しているでしょうか?

そんな時に営業に使える心理学の手法があるのです。

おそらく一度は実践したことがある手法を今回まとめてみました。
営業活動で使える心理学にテクニックを紹介していきます。

営業では実は心理学が使われている

営業職を対象にしたFleekdriveの調査によると
「営業活動をする際に何かしらの心理学を取り入れていますか?」という質問に対して、

58%の方ががなんらかの心理学を取り入れている、という結果があります。

それでは商談の流れの中で使えるテクニックをそれぞれお伝えしていきます。
商談の流れとは具体的には、

アイスブレイク
ヒアリング
プレゼンテーション
クロージング

です。

詳しくはコラム
「営業には、どの業界にも共通する基本原理がある」
営業の原理原則を考える|SPIN営業をご存知でしょうか?
を参考にしてください。

アイスブレイク/ヒアリング時

①サトルクエスチョン
相手に質問だと思わせることなく質問をする手法で、
サトル(subtle)とは「それとなく、微妙な」ということを意味します。

例えば、

「貴社のような業界では○○に課題を抱えているケースが多いですが、
貴社でもそんな課題をお持ちでないでしょうか?」

などと質問すると相手は自然とイエスかノーで反応し、
その内容についてもある程度話してくれます。
積極的に取り入れてみるといいでしょう。

ただ、ビジネスでは「何度も間違いをするビジネスパーソンは信用できない」となります。
質問に対して返答がないような、関係構築が浅い初期の段階で使うのがよいでしょう

②バックトラッキング
相手が言った言葉を活用して、言葉を返していくコミュニケーションの手法です。
相手の言葉をオウム返しすることですが、それだけでも短時間で良好な関係を築くことができます。

単純に同じ言葉を繰り返すように発するだけではなく、同じ意味の別の言葉で返す工夫もしてみるとより自然になるでしょう。
商談中、見込客は話しているときの営業の反応が薄いと、きちんと話を聞いてもらえるか不安になるものです。

そういった不安を払拭するためにも、きちんと話を聞いている姿勢を保つように心がけましょう。

例)見込客:組織全体の受注率が低い
⇒営業:受注率が低いということは、営業メンバー全員の営業スキルを上げる必要があるということですね

③ミラーリング効果
相手との共通点を増やすことで、安心感や信頼を得る手法です。
例えば、相手と同じテンポ、トーンで話しをすると
「信頼できる」「この人と会ってみたい」という心理になります。

プレゼンテーション時

④バーナム効果
誰にでも当てはまるようなことを、
「自分のことだ」と錯覚してしまう心理効果を「バーナム効果」といいます。

ビジネスでもヒアリングした内容をもとに
「御社には大きな課題がありますよね」
「もっと生産性をあげたいと感じていませんか」など、

どの企業でも抱えている問題を提示することで、
「この営業はうちの会社をよく調べている」と感じるでしょう。

⑤両面提示の法則
メリットだけを紹介した時よりも、デメリットも併せて紹介した方が説得力が増し、
売上や好感度がUPする、という法則です。

営業における提案時もメリット(例:受注率が向上、営業の標準化が浸透、など)だけでなく、
デメリット(例:顧客の協力も必要、スケジュールがずれる可能性もある、など)も伝えることで
期待値を調整できるとともに、説得力も増すでしょう。

プレゼンテーション時

⑥バンドワゴン効果

人気や流行を利用して、「シェアがトップ」、「売上1位」などのセールストークを用いる方法です。
見込客はたくさん売れているのならいい商品やサービスに違いないという確信を持つケースも多いので、
自然と成約に繋がりやすくなります。

クロージング段階での懸念払拭で使えるでしょう。

⑦ツァイガルニック効果
商品やサービスを紹介するときにはつい概要や魅力をすべて伝えたくなるものですが、
ツァイガルニック効果は敢えてすべては伝えないという手法になります。

不完全な情報を伝えることでお客様の興味や関心を高められます。
極端なケースですが、敢えて商品やサービスを全く紹介しない訪問をするというのも1つの手段です。

※どのような相手に使うべきか見極めが難しいので多用はしない方がよいでしょう。

⑧ドア・イン・ザ・フェイス(譲歩的依頼法
高額な提案をしてから徐々に金額を下げ、最終的にこちらが希望する金額を提示し
「とても安くしてもらえた」という満足感を商談相手に与える交渉術のひとつです。

例)100万円のサービスを提案
⇒月末までに契約を締結した場合、初期費用を値引き

⑨フット・イン・ザ・ドア(一貫性の原理」)
商談を優位に進めたり、購入意思の弱い顧客から成約を勝ち取る心理テクニック
相手の「イエス」を積み重ねることによって、「ノー」といえない状況をつくる手法です。

例)100万円のサービスを提案
⇒いきなり契約は難しい
⇒では一か月の無料トライアルからはいかがでしょうか?
⇒それならOK
⇒実は1ケ月から契約可能です
⇒・・・・・
⇒10万円の契約!

まとめ

営業で使える心理学の手法を紹介してきました。

・アイスブレイク、ヒアリング時に使えそう
①サトルクエスチョン

②バックトラッキング

③ミラーリング効果

・プレゼンテーション時に使えそう
④バーナム効果

⑤両面提示の法則

・クロージング時に使えそう
⑥バンドワゴン効果

⑦ツァイガルニック効果

⑧ドア・イン・ザ・フェイス(譲歩的依頼法)

⑨フット・イン・ザ・ドア(一貫性の原理」)

いかがでしたでしょうか?
今まで使っていた、あるいはこれから使ってみたい手法もあったでしょうか。

これまでの営業の振返りやこれからの営業で試してみてください。