正しい営業トークの流れ|NGのトーク例と営業トークの3つのポイント

 

このような営業トークを受けた経験はありませんか?

「私たちのサービスは○○(サービス名)です!」
「このサービスを使えば、こんなことができるようになります!」
「さらには、こんな機能も付いています!」
「(自信満々で)是非、いかがでしょうか!!」

「自社サービス起点」の商談の流れはNG

既にお気づきでしょう。
これらはすべて「自社サービス起点」の商談の流れです。
そこに「相手」はいません。

「相手起点」の必要性

 初対面で、相手の会社が何をやっているのかもよくわからない。にもかかわらず、こちらの話を聞かずにいきなり自社サービスの話をはじめてしまう。そうなると、目の前にいる相手はこう思うでしょう。

「その前に、きみたちは何をやっている会社なの?」
「それを買って、うちになんのメリットがあるの?」
「そもそも、それうちにとって必要?」

こうならないためには、自社ではなく「相手起点」となるように商談の流れを組み立てていく必要があります。

「相手起点」の商談の流れ

そのためには、次の3つのステップを踏んでください。

ステップ1 自社を信用してもらう<アプローチ>
ステップ2 相手の課題・ニーズを明らかにする<ヒアリング>
ステップ3 (そのうえで)相手の課題やニーズへの解決策を提示する<プレゼンテーション、クロージング>


ステップ1では、
・自分たちは何をやっている会社なのか?
・お客様に何の価値を提供できる会社なのか?
・その価値を提供できるのはなぜなのか?

を伝えます。

ステップ2では、
・相手が具体的に困っていることは何なのか?
を徹底的にヒアリングし、相手が抱えている課題・ニーズを引き出します。

ステップ3で、
・その困っていることに対して、どのような方法であれば解決できるのか?
という解決イメージを相手に植え付けます。

ここまでのステップを経て、ようやく自社サービスの説明をする番です。こうすることで、相手の理解度や納得性が高まり、当事者意識が芽生えて、相手の購買意欲が醸成されます。

商談での正しい営業トークの流れ

「相手起点」の営業トークをするには具体的に以下を意識しましょう。

1.アプローチ
→アイスブレイク、自己開示など

2.ヒアリング(ファクトファインディング)
→課題をヒアリングする、事前に準備した仮説をぶつける
参考記事:商談時の注意!課題は聞くのではなく、見つけ出すもの

3.プレゼンテーション
→自社サービスが「課題をどのように解決するのか」観点で説明
参考記事:見えないものをイメージさせる|サービス内容の説明・伝え方

4.クロージング
→不安を払拭して受注へつなげる、またはネクストアクションの設定

という原理原則があります。
営業トークも上記のような流れで進めていくと効果的でしょう。

アプローチでは
「自分が何者であるのか」
「どんな会社なのか」
「この商談のどんな時間にするのか」
を簡潔に伝えましょう。 サービスの詳細や価値についてはヒアリングに基づいて必要な情報だけを伝えるようにしましょう。相手が全く興味が無い状態からプレゼンをはじめても、うまくいかないでしょう。

ヒアリングのポイント

ヒアリングを効果的に進める手法としてSPIN話法があります。

・状況質問(Situation Questions)→顧客の現状を理解する
(例)
営業チームは何名くらいですか?
一人あたりどれくらいの案件数をお持ちなのですか?

・問題質問(Problem Questions)→顧客に問題に気づかせる
(例)
メンバーが増えていると思いますがどのようにトレーニングしていますか?
ちなみに受注率はどれくらいなのでしょうか?

・示唆質問(Implication Questions)→問題の重要性を認識させる
(例)
トレーニングはOJTのみとのことですが、即戦力化に時間がかかっていないでしょうか?
受注率にはバラつきが生じてませんか?

・解決質問(Need payoff Questions)→理想の状態をイメージさせる
(例)
即戦力化の時間が短縮されれば、御社の営業の生産性向上につながるのではないでしょうか?受注率のバラつきが解消されれば、御社の売上は更に向上しますよね?

そして理想の状態をイメージさせてからプレゼンに入ることで話した内容をしっかり聞いてもらえるでしょう。

プレゼンテーションのポイント

ヒアリングで引き出した情報を元にプレゼンテーションを行います。
・ヒアリング内容の整理(課題や問題点の洗い出し)
(例)営業チームは5名で一人あたり30件くらいの営業案件を持っている。チーム全体で売上目標は達成しているが、受注率にバラつきがあり新人の即戦力化にも時間がかかっている。OJTによる育成を行っているが一人前になるまでに半年以上かかる。今後事業を拡大していくためにも営業人員を増員した時の即戦力化の期間は短くしたい。かつトップ営業に頼らないチーム作りをしたい。

・解決策の提案
「売れる営業の型」を整理して営業の標準化を進める。

・提案がもたらすメリット
新人の早期即戦力化とチーム全体の受注率の向上。

・導入事例
同業界で受注件数が1年1.8倍に

・(場合によって)競合との比較
貴社の営業チームに変わって営業活動をする営業代行会社と違い、貴社の営業組織の営業力強化を行うので中長期にみたら効率性が高く再現性も出てくる。

クロージングのポイント

プレゼン後のクロージングでは以下を意識すると良いでしょう。

・いくつかの選択肢を用意する
松竹梅のような複数のプランを用意することで顧客は選びやすくなります。
経験がある方も多いと思いますが、3つの価格に分けて提供した場合、真ん中の価格の製品・サービスを購入する傾向があるという心理テクニックです。「買う o r買わない」といった決断ではなく、「どれかを選ぶ」という形になるため、心理的なハードルを下げることができます。


・ストレートに購買意欲を聞く
プレゼンテーション後に率直な意見を聞いてみましょう。全く関心を持っていない場合は、値引きの提案や競合優位性をあらためてアピールしても効果がありません。

・できない理由をつぶし、やるべき理由に結びつける
顧客の悩みや不安を解決できるように1つ1つ提案を行い、やるべき理由を提示した上で納得した状態になるように商談を進めましょう。

・沈黙を恐れない
プレゼンやクロージングにおいて様々な話をし、内容がささっていれば顧客も悩むでしょう。沈黙した顧客は購入を真剣に考えていて、購入後に業務がどう改善するのかなど、情報を整理していることもあります。「ちなみに引っかかる部分はどこですか?」など間をとって話しかけて見ると一番の懸念点が浮き彫りになるでしょう。

まとめ

以上のように「相手起点」の商談の流れが重要になります。このコラムを読んでハッとされた方は、早速、営業トークの見直しとそれに見合った営業ツールを準備して、明日から実践してみてください。以前よりも、スムーズに商談が進んでいることに気がつくはずです。

■営業トークの流れ
1.アプローチ
2.ヒアリング(ファクトファインディング)
3.プレゼン
4.クロージング

■「相手起点」のために商談で意識すること
ステップ1 自社を信用してもらう<アプローチ>
ステップ2 相手の課題・ニーズを明らかにする<ヒアリング>
ステップ3 (そのうえで)相手の課題やニーズへの解決策を提示する<プレゼンテーション、クロージング>

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