近年、業界の垣根を超えた異業種間の競争が激化しています。
自動車業界では、IT業界のGoogleが自動運転車の開発をしたりなど。
このような状況下をチャンスとみて新規戦略を立て、
参入していく企業も多いかと思います。
しかし新規参入する前にしっかりと参入する業界を分析していないと
思っていたより成果が上がらず、早期撤退などもあり得ます。
今回は新しい業界に参入する際に検討すべきポイントをお伝えします。
5F(ファイブフォース)を使って業界を知る
新規参入する際の分析手法として有名なのが5F(ファイブフォース)です。
※5Fとは
事業戦略は5つの重要な競争要因から導き出せると、
マイケル・ポーターが提唱したフレームワークです。
業界内の競争環境が、企業の戦略立案に大きな影響力をもつ為、
正しく分析することが非常に重要になってきます。
それでは5つの競争要因とは何でしょうか?
1.競合他社の脅威
2.新規参入の脅威
3.仕入れ先の脅威
4.買い手の脅威
5.代替品の脅威
の5つです。
5つの脅威とは?
1.競合他社の脅威
同じ業界にいるライバル企業
<例>自動車業界であればトヨタ、ホンダなど
2.新規参入の脅威
他業種、類似業種から新規参入し現状の自社の市場シェアを奪おうとする存在
<例>自動車業界へのGoogle、一昔前のリクルートや楽天の旅行業界への参入
3.仕入れ先の脅威
製品やサービスを販売してくれる人(サプライヤー)
<例>液晶ディスプレイ企業の値上げ交渉
4.買い手の脅威
製品やサービスを買ってくれる買い手
<例>スマホを使う消費者からのデザイン、機能の要望
5.代替品の脅威
自社が展開している商品やサービスに変わる新たな商品
<例>時計市場でのスマートウォッチ、携帯電話市場での格安SIMを使った低価格端末
5F分析後の戦略とは?
更にポーターは5Fによる分析後は3つの基本戦略のいずれかを
とらなければならないと述べています。
1.コストリーダーシップ戦略
市場で最も低いコストを設定して、競争に勝つことを目指します。
<例>ユニクロ
2.差別化戦略
他社とは違う特徴的な製品を提供することで、競争に勝つことを目指します。
<例>ルイ・ヴィトン
3.集中戦略
経営資源を特定の分野に集中させることで、競争に勝つことを目指します。
<例>モンクレール(ダウンジャケットに集中)
ここで注意すべきはいずれかの戦略を選んだら、その方針に従い、
中途半端にならないようにすることです。
例えば、コストリーダーシップ戦略と差別化戦略が中途半端になると、
ある程度価格は安く(最安値ではない)、少し質が高い、となり
長期的には業績が低迷してしまいます。
まとめ
既存の商品や新製品を新しい市場に売り込む経験は、営業の方にはあると思います。
その場合に5Fを事前に考えておくことで、様々な打ち手を立てることができます。
例えば買い手の影響力が高い場合は、自社にしかない付加価値(差別化)を考えておかないと価格交渉力が弱くなり、コストをかけた割に想定以下の利益しか得られなくなります。
また、新規参入圧力を頭に入れておかないといつの間にか顧客を取られ、
取引停止に陥る可能性もあります。
是非営業でも5Fをした上で、営業戦略を練っていくことをお勧めします。
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