弊社では、営業の標準化を支援しておりますが、仕組を作るだけの話
だけではなく、最終的に個々人の営業力を強化しなくては、
組織としての営業力強化は実現しません。
多くの営業組織では、営業メンバーに目標と商材を与えたら、あとは放置し、
結果だけをマネジメントし、「あいつは売れる」「あいつは売れない」と
評価していることが見受けられます。
今回はメンバーを放置するのではなく、
営業メンバー個々のスキルを伸ばす為の施策をご紹介いたします。
主な営業スキル
まずは主な営業スキルを紹介します。
コミュニケーション能力
顧客が求めることを理解し、同じ目線に立ったうえで意思疎通を図り、提案ができるようなコミュニケーションスキルは営業にとって非常に重要です。ニーズを理解せずに一方的に話をしてしまったり、ネクストアクションを設定せずに商談を終えてしまう場合は、コミュニケーションの改善が必要です。
ヒアリング力
今後の商談を有利に進めるために必要な情報などを聞き取る力もヒアリング能力として必要になります。ヒアリング力・傾聴力は、顧客の悩みを上手に引き出し、ニーズを聞き出すスキルです。営業活動を有効に進めるためにヒアリングのフレームワークもいくつかあります。
参考記事:「MEDDIC」とは?BANTだけじゃない最新の営業フレーワーム
課題発見力
課題発見力は、商談から「顧客が抱えている課題」をピンポイントに見つけ出すスキルです。顧客の理想と現実との「差」を生み出す原因(=課題)を引き出し、受注につながるように提案につなげます。いかにヒアリングを丁寧に行っても、見当違いな提案であれば、有効な提案にはつながりません。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキング(論理的思考)とは、物事の結論に向かって、情報を整理し、筋道立てて考えるスキルをさします。営業活動において様々な顧客課題やトラブルに直面するでしょう。そのような時に課題を論理的に整理して、矛盾なく漏れのない回答を出すことが必要になります。ロジカルシンキングの実施によって商談でも説得力のある提案をすることができ、成約率も上がります。
クロージングスキル
営業のクロージングスキルは、受注に影響するため非常に重要です。契約のための障壁を洗い出して、クリアできるように交渉や調整をおこないます。この部分は受注件数に密接にかかわります。
交渉力
交渉力も営業活動に必須のスキルです。複数の事業者とのやり取りで価格や納期、仕様の調整が必要になる場面も営業スタイルによっては多くあります。顧客の要望を満たすと同時に自社に不利にならないよう商談を上手くまとめる交渉力が必要です。社内調整が必要になることもあり、社内外での交渉力が必要になります。
トラブル対応力
営業では時折トラブルが生じます。顧客に対してただ表面的な謝罪をするだけではトラブルの解決にはなりません。そのトラブルをいかにして打開するか、具体的な解決方法や再発防止策を明確に提示する力が求められます。
営業経験とトレーニングによる営業力強化の実現
何でも売れる才能を持った人など一握りで、どんな商材でも
売れるようになるためには経験とトレーニングが必要です。
短い期間でいかに多くの経験とトレーニングを積ませる環境を整えるかが、
組織としての営業力を強化するための秘訣だと我々は考えています。
それではどのようなトレーニングを積ませる必要があるのでしょうか?
社内で行う営業スキル強化のための施策とは?
弊社が今までクライアント企業の営業力を強化してきた経験の中で
特に有効だと思うものを3つ挙げます。
それは、「ロープレ」「成功事例の共有」「テーマを決めた勉強会」です。
昔ながらの手法ですが、継続的にかつ質を重視して行えば、とても有効です。
それぞれについて簡単に説明していきます。
営業スキル向上のための3つの効果的な施策
1つ目は営業ロープレです。
ロープレについては、リアルなお客様のケースを設定し、
3人1セットで行うのが理想的です。
1人が営業役、1人がお客様役、そしてもう1人がオブザーブ役で、
商談内容の改善点があれば、その場で止めて修正をする重要な役割です。
時間を決めて、決めた営業の流れ通りに、ツールやトークを駆使して行います。
自分が営業を行うのも勉強になり、他人の営業を見るのも勉強になります。
参考記事:営業ロープレのコツとは?やってはいけない営業ロープレも紹介
2つ目は、成功事例の共有についてです。
商談現場で最も有効なトークは、そのお客様と同様の企業が
「なぜ導入し」「どのような結果・効果が出たのか」です。
多くの営業メンバーは、自分が体験した事例しか話すことができません。
皆がそれぞれ持っている事例を、他のメンバーにも共有することで、
各メンバーのトークの幅が広がるのです。
最後は、テーマを決めた勉強会です。
「自社の強みについて」、「ネガティブな言葉に対する切り返し方」、
「競合比較に勝てる方法」、「なるべく早く契約書をもらうには」、
など様々なテーマを与え、営業メンバーに議論させ考えさせます。
最適なテーマを与え、議論の中で、メンバーに気付きを与え
行動を促すことが、営業力の強化にはとても有効なことです。
まとめ
セールスストーリーの構築やアプローチブックの導入により
企業の営業の「仕組み」が作られます。
しかし、企業の営業力は、「仕組み」だけでは強化されません。
仕組み通りに実行する人=営業メンバーの力を最大限に
引き出してこそ、組織としての営業力は本当に強くなるのです。
■主な営業スキル
・コミュニケーション能力
・ヒアリング力
・課題発見力
・ロジカルシンキング
・交渉力
・クロージング力
・トラブル対応力
■営業スキル向上のための効果的な施策
・営業ロープレ
・成功事例の共有
・テーマを決めた勉強会
営業メンバーのマネジメントの参考にしてみてください。
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