これからの働き方改革を考える②<非定型業務(ノンコア業務)の定型化>

 

「働き方改革」が浸透して、ワークライフバランスを意識する企業増えました。
残業を削減するために様々な試みをしています。

在宅ワークの促進やAI,RPAの導入などの新しい施策が
うまくいっている会社とそうではない会社があるでしょう。

これからの働き方改革を進めるには
いったい何から行えばよいのでしょうか?

そこで重要になるのが「定型業務(コア業務)と非定型業務(ノンコア業務)」です。

別の記事では定型業務の削減からということでオンラインセールスや
リモートアクセスの有効性についてお伝えしました。
(コラム「働き方改革を考える①<スマートワークの促進>」)

今回は非定型業務(ノンコア業務)の効率化について考えていきます。

定型業務(コア業務)と非定型業務(ノンコア業務)の削減

まず、定型業務とはデータ入力や記帳、請求書作成など
作業内容に一定のパターンがあってマニュアル化、
アウトソーシングしやすい業務のことです。

非定型業務とは、経営戦略や営業戦略、デザイン業務、商談など
思考力やクリエイティブスキル、その場での判断力が求められる
業務のことです。

多くの企業では働き方改革や新型コロナウイルス対策として、
ITを駆使した遠隔からのリモートワークや、スマートフォンを使った業務が
できる仕組みを既に導入しているかもしれません。

また、AIやRPA(Robotic Process Automation)による
バックオフィス業務やコールセンターの業務改革も徐々に浸透しています。

今行われている働き方改革のほとんどが
既存の業務をどこからでも行えるようにしたり、
定型業務の時間と人員を減らすような取り組みです。

しかし、非定型業務の働き方改革をすれば更に企業の生産性は向上するでしょう。
ではどのように非定型業務を定型化して減らしていけばよいでしょうか?

属人的な作業を定型化することは可能か?

営業活動における非定型業務を考えてみましょう。

・アポの取得
→見込み客の業界や問い合わせ内容によってトークを分けているでしょう。

・商談準備
→新規か既存か、会社規模や業界によって準備が異なるでしょう。

・提案資料の作成
→顧客に合わせて毎回提案資料を準備していると思います。

・商談
→ヒアリングやプレゼンテーションなど個々のスキルが試されます。

の4点が主な非定型業務です。
ターゲットを選定し、アポイントを獲得するなど営業の業務は
非定型の部分が多いです。時間の大部分を使うのは上記の4点
であると思います。

実はこれらの非定型な営業活動を効率化するのが
営業マニュアルやアプローチブックであり、営業ロープレなのです。

営業フローの見える化・言語化がカギ

一見定型化するのが無理そうな非定型業務も
一度業務のフローを見える化することで定型化が見えてきます。

例えば、営業活動全体のプロセスも

見込み客→有効会話→商談→課題の合意→解決策の合意→申し込み書→契約

のように大きな流れに整理することができます。

更に商談自体も、
1.アプローチ
(例)アイスブレイク、自己開示など

2.ヒアリング(ファクトファインディング)
(例)課題をヒアリングする、事前に準備した仮説をぶつける
(コラム「商談時の注意!課題は聞くのではなく、見つけ出すもの」)

3.プレゼン
(例)自社サービスにより「課題をどのように解決するのか」観点で説明
(コラム「見えないものをイメージさせる|サービス内容の説明・伝え方」)

4.クロージング
(例)不安を払拭して受注へつなげる、またはネクストアクションの設定

のように整理することができます。

参考記事
営業の原理原則を考える|SPIN営業をご存知でしょうか?

更にそれぞれの商談のプロセスで
売れる営業の商談の進め方を言語化していきます。

商談における非定型業務の標準化を実現するのがアプローチブックであり、
営業ロープレで各営業パーソンに浸透させるのです。

アプローチブックと営業ロープレの導入

アポ取得の為のスクリプトもフローを整理することで
ある程度は定型化することができます。

参考記事
インサイドセールスのトークスクリプトの作り方|アポ取得率を劇的に変える方法

アプローチブックを導入すると、
・売れる営業の流れであるセールスストーリーが完成
・どの営業でも使えるような使いやすく効果的な営業資料が完成
→標準化され、提案資料の作成、商談準備の時間が削減

更に営業ロープレを実施すると、
・アプローチブックの使い方が浸透する
・ヒアリングからクロージングまで売れる営業の流れを実践できるようになる
→受注率が高まり、商談の時間に対する費用対効果が高まる

結果として営業における非定型業務が減り、営業組織の生産性の向上につながります。

参考記事
アプローチブックをマスターしよう

まとめ

働き方改革を進める上で既に定型業務については
AIやRPAの導入で取り組みがかなり進んでいると思います。

次に改革を進めるのが非定型業務です。
特に営業業務は属人性が高く、なかなか業務を短縮
させるのは難しいと思われがちです。

しかし、セールスストーリーやアプローチブックを導入することで、
どの商談にも使える営業ツールが完成します。

そして営業ロープレにより個々の営業力が高まります。

組織全体を見渡して定型業務を削減していく取り組みは
もちろん効果的ですが、それだけではいつか限界がきます。

業務を削減させるだけでなく、個々の働き方改革を進めていくことが
会社全体の成長にもつながります。

是非営業組織の働き方改革として、営業へアプローチブックを導入してはいかがでしょうか?