AI導入が失敗する理由とは|成功への4つのポイント

AI導入が失敗する理由とは|成功への4つのポイント

ここ数年、AIをビジネスに導入する企業が増えています。
しかし、プロジェクト化まではしているものの
なかなか、成果が出た、という話は聞かないですね。

どうして結果に結びつかないのか?
どうすれば成功につながるのか?

今回はそのあたりを解説していきます。

AI導入による経営効率化

ここ数年で大企業を中心に導入が進んでいるAIですが、
どれくらい導入が進んでいるのでしょうか?

MM総研(2020年)の調べによると、何らかのAIを導入している企業(AI導入済み企業)は15.1%(1135社)、検討企業は15.7%(1177社)となり、両者を合わせると30.8%(2312社)となります。

AI導入状況を見ると、「物流作業・管理の最適化」を課題として挙げた企業の27.7%がAIを導入しており、最多でした。続いて「研究開発力の強化」のAI導入率が26.8%、「設計・工程削減」が26.7%となりました。コスト削減や業務効率化などバックオフィス的領域へのAI導入が先行し、
新規ビジネスの創出や顧客接点の強化などのフロント領域へのAI導入は始まったばかりなようです。

あらためてAI活用による業務メリットは以下の通りです。

・人為的なミスが減る
・自動化した場合、24時間365日安定して稼働できる
・応答率の向上(チャットボットの活用など)
・問題解決が早くなる
・属人化を防げる
・捻出した時間で人間がより生産的な仕事に従事できる

AIプロジェクトの実態

AIを導入している企業も増えている一方で
導入に至らずプロジェクトが頓挫しているケースも多いようです。

米ガートナーの調査によると、AIの試作品が実際の製品につながった
事例は53%しかなかった、とのことです。

AI関連技術は新しい分野のため、PoC(実証実験:Proof of Concept)で効果測定を行い、
期待した結果が出たら本格導入に入る、というパターンが多いです。

PoCから本格導入まで進まない理由について考えていきたいと思います。

・データが足りない
AIはデータをインプットし、蓄積し続けることで精度を上げていくが
そもそもインプットさせるデータが揃っていないことが多いようです。

この場合は、データを蓄積するデータプラットフォームを構築することから
スタートしなければなりません。

・インフラの問題
データを入力する端末があったとしても
そのデータを継続的に送信して蓄積できるような
インフラが整備されていないこともあるようです。

例えば、高性能のカメラで高品質の画像や動画が取れても
それをリアルタイムで送信できるようなネットワークや
データを格納するストレージが必要になります。

データが溜まらないうちはコストにしかならないので
利益が出るまで待つことになります。

・人材不足
既存のビジネスに精通していることはもちろん、
AIの技術を理解し、新たなビジネスを生み出せるような人材が欠かせません。
特にビジネスサイドにこのような人材が必要になってきます。

エンジニアがいくらAIを実装しても現場が見向きもしなければ
経営に良いインパクトを与えることは難しくなるでしょう。

AI導入のポイント

ではデータや人材の問題をクリアできそうな場合は、
どのようにAI導入を進めていけば良いでしょうか?

1.狭すぎず広すぎない戦略を立てる
まずはスコープを定めましょう。
ある程度の期間で経営に与えるインパクトが大きい業務内容に絞ると良いでしょう。
期間を数段階に分けて数年かかるような広すぎる場合や
経営にほぼ影響を与えないような狭すぎるようなケースはNGです。

2.プロジェクトチームを編成する
IT部門だけでなくビジネス部門や管理部門から
人材を集めてチームを作ることで横断的な業務の
AI導入も可能になるでしょう。

3.対象の業務を再考する
既存の業務にそのままAIを導入するのではなく、
業務自体をあらためて見直して再設計することも必要になることもあります。
新しい最適な業務プロセスの中でのAI活用を考えましょう。

4.柔軟に対応する
AI導入にあたった既存のシステムインフラの刷新や
プロジェクトメンバーの追加など組織の変更が求められるでしょう。

そんな時にシステム構築やリソース調整が
スピーディに対応できる柔軟性が必要になってきます。

一つのプロジェクトが成功すれば別な業務への導入への
検討もはじまり、最終的には会社全体にAI活用が広がっていくでしょう。

いかに最初のプロジェクトをうまく進めるかが鍵になってきます。

まとめ

今回はAIのビジネス活用の問題点や導入のポイントを紹介してきました。

■AI導入の現状
AI導入済み企業:15.1%
AI検討企業:15.7%

■AI導入のメリット
・人為的なミスが減る
・自動化した場合、24時間365日安定して稼働できる
・応答率の向上(チャットボットの活用など)
・問題解決が早くなる
・属人化を防げる
・捻出した時間で人間がより生産的な仕事に従事できる

■AIプロジェクトが進まない3つの理由
・データが足りない
・インフラの問題
・人材不足

■AI導入の4つのポイント
1.狭すぎず広すぎない戦略を立てる
2.プロジェクトチームを編成する
3.対象の業務を再考する
4.柔軟に対応する