「デジタルトランスフォーメーション(DX)」、「AI」など
ここ数年でビジネスに浸透してきました。
ただ本コラムでも何度か紹介してきましたが
なかなかうまくいきません。
今回は営業のDXに焦点をあて、AI活用に至るまでの
キーポイントを紹介していきます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の失敗例
いくらプロジェクト化してもうまくいかないケースが多いです
例えば以下のような失敗例があります。
・ツールの導入が目的になってしまう(目的がない推進)
デジタル化の推進ということでとりあえずCRM、MA、オンライン会議ツールを
導入します。しかし、導入目的(具体的な数値目標)を定めていないため、
ツール活用の負荷ばかりが高まり結局元の状態に戻ってしまいます。
・効果が出ないDX推進
デジタル化の推進ということでIT関連の部署が担当することも多いでしょう。
ツールの選定や導入やうまくいくかもしれません。
しかし、DXは「既存のビジネスの変革」なので自社のビジネスに精通していないと
的外れな改革に陥り、結局何も進みません。
・社内調整がうまくいかない
デジタル化の推進ということで特別なプロジェクトとして
様々な部署からメンバーが集められることもあるでしょう。
そしてユニークなアイデアが生まれ新たなビジネスの芽が出るかもしれません。
しかし、新設部署ということで社内調整がうまくいかずに進まない、ということも。。
参考記事
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に必要な人材とは?
デジタルトランスフォーメーション(DX)推進に必要な人材
上記のような失敗例において必要な人材例をまとめます。
・ツールの導入が目的になってしまう(目的がない推進)
(必要な人材)
事業に精通していてデータドリブンなプロセス設計ができる人材
・効果が出ないDX推進
(必要な人材)
業務の型化・可視化の思考があり、他業務で実践したことがある人材
・社内調整がうまくいかない
(必要な人材)
花形部署で成功を治めた人材(社内政治に強く経営層から同意を得られやすい)
営業組織におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の成功のポイント
良い人選をした後には継続的な運用が必要になります。
運用のポイント
・成功指標から逆算したデータ設計
例えば、営業DXにおけるゴールを売上向上におく場合、
何が成果に結びついた要因なのかを可視化できるようになるのもDXのメリットの一つです。
売上=平均購買単価 × 案件数 × 受注率
他にも
リード獲得数
商談化率
チャネル(顧客流入経路)分類
もデータとしてとれると良いでしょう。
上記のようにゴールを要素分解し、KPIとして業務プロセスに取り入れます。
・データの蓄積
データの設計ができましたら次は肝心のデータの蓄積です
それまで特別にデータを蓄積していなかった営業組織では
最初はハードルが高く、反発を得ることがあるでしょう。
その場合は、
データ入力の達成度に基づいた評価制度の構築や
マネージャーや営業サポートの目標にデータ入力率を設定することで
改善はされていくでしょう。
最初のうちはある程度の強制力を設けることも必要です。
参考記事:
セールスイネーブルメントの取り組みを加速するSFA/CRM活用方法
・データの計測/改善活動
最後に蓄積したデータ活用です。
定期的にデータを計測して営業戦略・戦術の見直しをします。
例えば、受注率が下がっている原因が受注率であった場合、
・どのチャネルの受注率が落ちているのか?
・どの担当者の受注率が落ちているのか?
・昨年の同じ時期はどうだったのか?
を見ていくことで新しい施策立案・実行につながります。
テレアポの成果が乏しい場合、思いきってwebマーケティングに
予算を投下することも良いでしょう。
ある担当者の受注率が低い場合はマネージャーのレビューを
細かくすることで原因があきらかになり、改善されていくかもしれません。
前年も同じ傾向であった場合は商談数を多くするような
キャンペーンを行ったり、次月でのリカバリープランを早期に準備するとよいでしょう。
営業DXではじまるAI活用
データの計測/改善活動によってデータ活用の成功例がどんどんでてくると思います。
更に成功例を見つけ出し、売上を向上させていくにはAI活用も良いでしょう。
AIのビジネス導入が増えましたが活用まで進んでいる企業は少ないのが現状です。
その原因は「データ蓄積」にあります。
営業DXという文脈から必要なデータを整理し、蓄積していくことで
ようやく以下のようなことが可能になります。
1.AIが過去の行動履歴から見込み客の動きを予測
2.AIがアプローチのタイミングを知らせる
3.AIが薦める方法でターゲットへアプローチ開始
4.顧客情報から営業ツールの準備
5.商談(新しいデータの蓄積)
6.AIによる想定されるリスクの洗い出し
7.受注(新しいデータの蓄積)
いきなり業務でAI活用を目指すよりは進めやすいでしょう。
まとめ
今回は営業のデジタルトランスフォーメーション(DX)のポイントと
AI活用について紹介してきました。
今後の営業戦略にお悩みの方はぜひ参考に!
■営業のデジタルトランスフォーメーション(DX)成功のポイント
(組織面)
・事業に精通していてデータドリブンなプロセス設計ができる人材
・業務の型化・可視化の思考があり、他業務で実践したことがある人材
・花形部署で成功を治めた人材(社内政治に強く経営層から同意を得られやすい)
(運用面)
・成功指標から逆算したデータ設計
・データの蓄積
・データの計測/改善活動
■データ蓄積からはじまるAI活用
1.AIが過去の行動履歴から見込み客の動きを予測
2.AIがアプローチのタイミングを知らせる
3.AIが薦める方法でターゲットへアプローチ開始
4.顧客情報から営業ツールの準備
5.商談(新しいデータの蓄積)
6.AIによる想定されるリスクの洗い出し
7.受注(新しいデータの蓄積)
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