営業マネージャーの役割とKPI設計のポイント

 

このコラムをご覧になっている方のなかには
営業マネージャーの方も多いでしょう。

営業マネージャーのみなさんは普段どのような業務を
行っているでしょうか?

・営業戦略の立案
・経営層への営業状況の報告
・メンバーの営業同行
・営業メンバーのモチベーション管理
・新しいメンバーの採用

など様々でしょう。
今回は営業戦略の立案に関わる「KPI」設定についてお伝えしていきます。

営業マネージャーとは?

そもそも営業マネージャーとは、事業目標を達成するために、営業戦略を立案し、営業戦略に基づいた営業戦術を実行するマネージャーを指します。それだけでなく、営業組織内でのオペレーションの仕組み化や売れる営業の型を作ります。さらに、営業メンバーの成果を最大化すべく日々メンバーへアドバイスをしたり新しいメンバーの採用をし、営業組織を活性化させます。

営業パーソンとして実績をあげ、自社の商品・サービスはもちろん顧客理解も深く、コミュニケーション能力が高く、リーダーシップが発揮できると見込まれた人材が登用されることが多いでしょう。

営業マネージャーの役割

優秀な営業マネージャーが役割を果たすことが、企業の収益を最大化させるための近道になります。しかし多くの営業組織では、営業マネージャーはプレイングマネージャーとして営業活動を行うためKPI設定に関わらないこともあるのではないでしょうか?

あらためて営業マネージャーの役割を整理します。

1)目標と目的の設定
2)営業戦略と営業戦術の立案・推進
3)営業組織の仕組化
4)営業結果の把握及び改善策の立案・推進
5)営業パーソンのモチベーション向上
6)営業パーソンの採用と育成
7)営業パーソンならびに自身の管理
8)営業統括役員への報告ならびに調整

このように営業マネージャーの役割は「売って売って売りまくり、チームを牽引する」ということではありません。
上記の8つのポイントがベースになります。
1)目標と目的の設定(営業KPIの設定)
2)営業戦略と営業戦術の立案・推進

のように自ら実行するのではなく、メンバーの目標値である営業のKPIを設定し、日々モニタリングをし、改善の必要があれば新しい施策を検討していかなければなりません。KPI設定の流れについて説明していきます。

営業のKPIとは?

そもそもKPIとは何でしょうか?

営業戦略として営業組織のゴールを設定するでしょう。

例えば、「今期1億円の売上を達成する!」です。
これがいわゆるKGI(Key Goal Indicator)になります。

そしてKPI(Key Performance Indicator)とは、
KGIを達成するための各プロセスが適切に実施されているのかを
定量的に評価するための指標です。

まずはこの違いをしっかりおさえましょう。

そして達成すべきKPIをどんどん分解して、
週次や日次の営業目標に落とし込んでいきます。

営業におけるKPIの具体例
・商談件数
・受注件数
・受注率
・売上金額
・リードタイム

営業マネージャーの役割の整理をし
KPI設計のポイントを紹介していきます。

営業のKPI設計のポイントと具体的な指標

営業組織の達成すべき目標(KGI)をどんどん分解して、
週次や日次の目標に落とし込んでいきます。

(例)
KGI:営業部として今期1億円の売上を達成する
KPI:Aさんは3000万円の売上目標
⇒月に1000万円の売上目標
⇒週に250万円の売上目標
⇒週に2件受注する(顧客平均単価が125万円)
⇒週に10件商談を行う(Aさんの前期の受注率20%から逆算)

このようにKGIから逆算し、KPIを設定していきます。
日々の行動目標が明確になり、営業メンバーの達成状況を
モニタリングしやすくなり、改善策もすぐに出しやすくなります。

例は非常に簡易的なものであり、他にも受注までのリードタイムや
商談に至る前のリード数(問い合わせ数)の数値も考慮しなければなりません。
設定した週の商談数に対して実際の引き合いが少なければ
最終的な目標の達成が難しくなります。
その場合は営業自ら過去の案件の掘り起こしをするしかありません。

営業におけるKPIの具体例
・商談件数
・受注件数
・受注率
・売上金額
・リードタイム

営業のマネジメントとKPI設計におすすめのツール

営業マネジメントやKPI管理にはSFA/CRMがおすすめです。

一般的にSFA/CRMを活用すると、顧客情報の共有や営業活動の可視化や
蓄積された情報分析が可能になります。

例えば以下のようなことが可能になります。

SFA/CRMを用いてどのようにコーチングを行っていけばよいでしょうか?

①リード/案件コーチング
システムに入ってきたリードの属性情報からアプローチするべきかをまず考えます。
SFA内では顧客情報の中に以下のような属性情報を設定することができます。
例:検討状況(情報収集段階、3ヵ月以内に導入、半年以降など)、業界、課題感

更に過去の案件から同じような課題感、業界への提案内容をデータで確認して
提案までのアクションプランのアドバイスできます。

SFAには過去の営業情報も蓄積されているので
提案書や受注率を参考にすることで優先順位をつけることができます。

②ファネル/パイプラインコーチング
SFAの分析レポートを用いることで現在までの積み上げ金額の確認はもちろん
営業フェーズの移行率も確認することができます。

例:
リードフェーズ 100万円
↓ 移行率:30%
商談 200万円
↓ 移行率:40%
クロージング 300万円
↓ 移行率:70%
受注 150万円

ここまで営業メンバーの状況が見える化されるので
躓きのあるボトルネックを把握し、ピンポイントなアドバイスができます。
KPI管理もエクセル等よりも容易になります。

③スキル/行動コーチング
SFAでは営業活動の商談メモにテンプレートを作成することができます。
必要なヒアリング項目を事前にチェックボックスやテキストボックスで設定できるので
知らず知らずのうちに営業の標準化を進めることができます。

トップ営業の行動を見える化していく上で非常に重要な機能です。

コーチングの際には蓄積された商談履歴から次の打ち手をアドバイスします。

④アカウントコーチング
SFAでは自分の担当案件だけでなく、同一企業の過去案件や
取引先の名刺情報も記録しておくことが可能です。
更にツールによっては取引先のプレスリリース情報や有価証券情報まで
自動で情報をとってくることができます。

これの機能を利用することでアップセルやクロスセルのチャンスを狙うことができます。

⑤テリトリーコーチング
過去の業界やエリアでの受注率を参考にすることで
エリア内でのターゲットの選定を最適化することができます。

更に名刺データを分析することで同じエリア内での
提案活動を優位に進めることができます。(代表同士のつながり、紹介など)

営業組織の標準化におすすめのアプローチブック

営業KPIの設定や管理の方法が固まってきたら、次は営業の売り方の標準化です。
そこでおすすめなのがアプローチブックです。

アプローチブックとは営業に携わる全員の英知を結集した営業ツールです。最適な商談の流れやトークの内容を営業メンバー全員が再現できるよう可視化します。「よく聞かれる質問」や「キビシイ反論」などを持ち寄り最適なトークやビジュアルにまで落とし込みます。営業の標準化が実現し、組織全体の営業力の底上げにつながります。

参考記事:アプローチブックをマスターしよう

まとめ

営業マネージャーとは?
営業マネージャーとは、事業目標を達成するために、営業戦略を立案し、営業戦略に基づいた営業戦術を実行するマネージャー

営業マネージャーの役割
1)目標と目的の設定
2)営業戦略と営業戦術の立案・推進
3)営業組織の仕組化
4)結果の把握及び改善策の立案・推進
5)営業パーソンのモチベーション向上
6)営業パーソンの採用と育成
7)営業パーソンならびに自身の管理
8)営業統括役員への報告ならびに調整

営業のKPIの例
・商談件数
・受注件数
・受注率
・売上金額
・リードタイム

■営業のマネジメントにおすすめのツール
・SFA/CRM

営業マネージャーに就任したばかいの方は是非参考にして
営業メンバーの日々のマネジメントに活かしてみてください。