会社の強み、営業戦略は本来誰が考えるものでしょうか?
会社の方向性なので、経営層か?
営業に関わることなので、営業部長以下、現場サイドなのか?
そもそも営業戦略では何を考えれば良いのでしょうか?
スリーシーズに寄せられるご相談の中には
『営業戦略を立てたいのだけど、手伝ってほしい・・・』
というものもあります。
今回は私たちが営業戦略を立てる際に、どのようなポイントで
考えていくかを少しお話をしたいと思います。
営業戦略とは?
まず、営業戦略とは、
「事業活動の領域とそこでの戦い方の基本方針を決めること」
と定義します。
つまり、攻め方のルールを決めるということです。
営業の視点からすると、取れるところを取りましょう!という発想になると思うのですが、そうすると攻める優先順位が決められません。
具体的には、売上やシェア拡大など、事業目標になります。この目標を達成するために、主に営業活動に焦点を当てて中長期的な戦略を計画することが、営業戦略です。
営業戦略を定める最大のポイントは、集中すること、捨てることを決める事なのです。具体的にはどんなポイントがあるでしょうか?
営業戦術とは?営業戦略との違い
「営業戦略」に対して「営業戦術」という言葉も使われます。営業戦術は戦略に沿ってどのように、どのようなやり方で進めるのかといった具体的な手法のことです。どんなに優れた戦略であっても、戦術が乏しければ目的を達成することは難しくなります。
目標とする戦略が決まったら、その実現のために何をどのようにするのかを考えなければなりません。売上というKGI達成のためにそれまでの実績から逆算して、見込客数、商談数、受注数、受注単価の目標(KPI)を決めていきます。 例えば、目標が売上50%アップだとするとその目標達成のために、低価格戦略をとるのか、富裕層をターゲットとした高価格戦略をとるのかといったことも含まれます。
営業戦術は中短期の視点に立って、営業戦略の下で一つの戦術が思うような結果を出さなかった場合、別の戦術に変更するなど柔軟性も必要となります。
営業戦略を決める時のポイント
そして、戦略を作っていく際のポイントとしては、
1.目標
2.戦略キャッチフレーズ
3.戦略立案の上での市場背景、会社背景
4.ターゲットとする顧客像
5.どの商品、サービスをメインにするか
6.どんな競合やネガティブ要因とぶつかるか
7.競合やネガティブ要因に勝つためのポイント
を決めていきます。
戦略を作る上では、営業が日々お客様から集めている情報や声を
もっとも重要視する必要があり、お客様や営業を無視した営業戦略は、
机上の空論と化す恐れがあります。
それでは営業戦略を立てる主体とは誰でしょうか?
弊社のクライアントを見ても、色々なケースが見られます。
経営層が考えた強みや戦略を、現場サイドが実行しているケース。
現場で作ったものを経営層が了承し、現場主導で進めているケース。
このようなケースはまだ良い方かと思われます。
逆に、両者が見合ってしまい、会社としての方針が決まっていないまま
それぞれが好き勝手にやっているケースも多く見受けることができます。
経営層は現場を軽視し、現場側は経営側を信頼していない。
現場は自分達の利益だけを考え、経営側は現場が納得できない
戦略や制度を提示し続ける。
経営側と現場側が一体となって考える
なぜ、こんなことが起きてしまうのでしょうか。
それは、立場・役割の違いを認識せず、お互いがお互いを
同じ目線の中で捉えて認め合っていないからと私は考えています。
上とか下とかではなく、与えられた役割の中で、見えている景色も違います。
経営側は、長年培ってきた経験や、会社運営という景色で見ています。
現場側は、目先のお客様と向き合っている現場感で景色を見ています。
営業戦略が非常にうまく機能している会社は、
このことを良く理解されており、それぞれがその立場を認め合った上で、
意見交換がなされているのです。
つまり
経営側と現場側が一体となって考え、行動すること
が必要なのです。
営業戦略に使えるフレームワーク
3C分析
初回商談こそ誰もが知っている3C分析が有効なのです。
3C分析とはマーケティング手法の一つでビジネス環境における課題や強みの整理に使われます。
3Cとは以下の頭文字をとっています。
Company:自社
Customer:顧客
Competitor:競合
具体的には
自社:沿革、理念、ビジョン、組織図、サービス内容、強み
顧客:顧客の業種、規模、サービス導入事例
競合:同じ規模でサービスが類似している企業\
これらの情報をおさえていることで全体感を把握することができます。
SWOT分析
SWOT分析とは、自社や自社製品・サービスの強みと弱みを知り、市場の動きや競合の特性と照らし合わせる分析手法です。競合や法律、市場の流れといった外的要因と自社の資産、ブランドとしての魅力、価格や品質といった内的要因を、プラス面、マイナス面にわけて分析します。
SWOTとは
・Strength:強み(内的要因):自社サービスの魅力、価格、機能など
・Weakness:弱み(内的要因):他社と比較した自社サービスの弱点、欠点
・Opportunity:機会(外的要因): マーケット拡大や法律による制限緩和、トレンドなど
・Treat:脅威(外的要因):競合他社の成長や法律による制限強化など
の頭文字をとったもので、この分析を行うことで、営業戦略の作成や経営の最適化が見込めます。
5F(ファイブフォース)分析
新規参入する際の分析手法として有名なのが5F(ファイブフォース)です。
※5Fとは
事業戦略は5つの重要な競争要因から導き出せると、マイケル・ポーターが提唱したフレームワークです。
業界内の競争環境が、企業の戦略立案に大きな影響力をもつ為、正しく分析することが非常に重要になってきます。
それでは5つの競争要因とは何でしょうか?
1.競合他社の脅威
2.新規参入の脅威
3.仕入れ先の脅威
4.買い手の脅威
5.代替品の脅威
の5つです。
この5つを分析することで、競合とのパワーバランスや関係性を洗い出し、自社の収益性を高めるヒントが得られます。
まとめ
皆様の会社でも、営業戦略を立てているとは思いますが、
まだきちんと立てられていない方は、じっくり時間を取って考えてみてください。
その際に是非、経営側と現場側が一体となって
考え、行動してみてください。
良いものを作れば売れる時代はとっくに終焉を迎えています。
現場感を捉え、迅速に対応している企業が
顧客に選ばれて売上を伸ばす時代です。
このコラムが参考になればと思います。
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