無駄な営業会議の短縮方法|お金のかからない働き方改革を考える①

 

「働き方改革」という言葉が流行っており、
ロボットを使った定型業務の自動化やAIを用いて非定型業務の
定型化など、多くの企業が取り組んでいると思います。

もちろんそのような取り組みは非常に重要でありますが、
今回は費用のかからない「働き方改革」への取り組みを
考えていきます。

メンバークラスの職種では少ないのにマネジメント職になると
必ず増える業務は何でしょうか?

おそらく「会議」でないでしょうか。
今回は社内会議に焦点を当てた「働き方改革」に
ついて紹介したいと思います。

会議のファシリテーションに関しての記事は多くの
みなさんが見たことがあると思います。

本コラムでは、上司の言動について部下がどう思っているか、
などの具体的な例を挙げて改善点を説明していきたいと思います。

社内会議での効率を高めて業務効率をアップ

経営層のみなさんや営業マネージャーのみなさんは
日々たくさんの会議に出席するでしょう。

その中で、もしかすると
「絶対に時間通りに終わらない会議」
「何も決まらない会議」
「自分がいる意味がわからない会議」

などの会議にも出席されているかもしれません。

このような営業会議にしない為にも課題を洗い出して
改善していかなければなりません。

それでは理想の会議とはどのようなものでしょうか。
おそらく以下のような状態でないでしょうか?

・時間通りに始まる
・会議の目的が明確
・不要な人がいない(必要な人だけいる)
・議論したいことが明確
・話が脱線しない
・「内職」している人がいない
・全員が活発に、建設的に発言している
・決まったことが明確で全員が理解している
・納得感がある
・しっかりと準備できている
・議論に必要な情報がそろっている
・時間通りに終わる

この中に必ずあてはまる項目があると思います。
理想の状態につなげる為には何を行えばよいでしょうか。

やってはいけない会議でのNGアクション

問題1:意見が活発に出ない

(NGアクション1)「何か意見はないのか?」と言ってしまう
会議中、全く部下から発言がなく場が静まり返っている時に
言ってしまうのではないでしょうか?

<上司の心境>
「こっちから言われなくても何か発言しろよ。最近の若いやつは主体性がない」

<部下の心境>
「いきなり話を振られても、この雰囲気では発言できない。しかも何を言えばいいの?」

(NGアクション2)「それは違うだろ」と頭ごなしに否定
部下が発言するのは良いが、毎回ズレたことを言ってくるので
「それは全然違うぞ」と言ってしまうことはありませんか?

<上司の心境>
「分かってないな。発言すればいいってもんじゃないからね。」

<部下の心境>
「発言しろっていうから、発言したのに全否定かよ。」

 

 

問題2:脱線ばかりで密度の濃い議論ができない

(NGアクション)「集中しろ」と怒鳴る
会議がダラダラと長くなり、話が脱線することが
多いときに言ってしまうことはありませんか?

<上司の心境>
「集中してやれば早く終わるはずなのに。困ったものだ。」

<部下の心境>
「結局何を決めたいの?てか何に集中すればいいの。
早く仕事に戻りたいんだけど。」

 

問題3:時間通りに終わらない

(NGアクション1)「準備しろ」の一言で済ませる
短時間で終わらせるために、部下に資料の準備を依頼し、
それだけで済ませていませんか?

<上司の心境>
「資料を準備させたけどなぜか早く終わらない。なぜなんだ?」

<部下の心境>
「準備しろって言われたから準備したけど結局早く終わらない。何が悪いの?」

 

(NGアクション1)「準備しろ」の一言で済ませる
会議の議題だけ決まっているが、時間は決まっていない。
「とりあえず議論をしよう」、になっていませんか?

などなど。思い当たることもあるのでないでしょうか?

 

うまく解決するための例

問題1~3の正しい対処法について説明していきます。

問題1.意見が活発に出ない

(正しい対処法)
名指しで、答えやすい質問をする
商談同様で、場が暖まっていない状況でのオープンクエスチョン
(「どう思う?」のような漠然とした質問)は有効ではありません。
まずはYes、Noで答えられるクローズドクエスチョンが良いでしょう。

例:「Aさん、この案には賛成?それとも反対?」
「Aさん、今の話で気になる点はある?」

・発言は必ず褒める
発言が出るようになったら必ず部下を褒めましょう。

行動分析学の中で行動随伴性というものがあり、
発言して良かったと思えなければ次から発言する可能性が低くなる、
というものがあります。

部下の発言をすぐに否定する上司は多いですが、逆効果になるので注意が必要です。

このように少しずつ場を暖めていくことで、部下の発言も増していくでしょう。

問題2.脱線ばかりで密度の濃い議論ができない

(正しい対処法)
・終了状態を確認する
会議の目的を「~すること」ではなく、「どうなったら終わるのか」という
終了状態を考えることで的確なゴール設定がしやすくなります。

×「今日は~の課題を議論するぞ」
〇「参加者が感じている課題を出し切った状態を作るぞ」

終了条件を明確にすることで参加者のベクトルがそろい、
議論が発散してしまうことが減るでしょう。

問題3.時間通りに終わらない

(正しい対処法)
・それぞれの議論に何分かけるのかを確認する

かける時間を確認し、随時誰かが残り時間の声をかけることで
参加者は「時間内に収めよう」という意識が働きます。

人は時間が決まっていると集中力が高まり、
時間内に収まらないと分かったら、何か工夫しようとするので
かなり効果的です。

まとめ

以上のように、理想の会議に近づけるために
NGな施策と、有効な方法について説明をしてきました。

 

問題1.意見が活発に出ない
(対処法)名指しで、答えやすい質問をする

 

問題2.脱線ばかりで密度の濃い議論ができない
(対処法)終了状態を確認する

 

問題3.時間通りに終わらない
(対処法)それぞれの議論に何分かけるのかを確認する

3つの問題に対してはそれぞれの対処法が有効かと思います。

マネージャーのみなさんは今回お伝えしたような改善方法を実践し、
是非理想的な会議に近づけてみてください。

AIやロボットの導入と異なり、これはお金のかからない働き方改革です。
業務改善だけでなく、体制や風土改善をし、質の高い働き方に
つなげていきましょう。

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